40代や50代になると、疲れやすくなったり、休んでも疲れが取りにくくなったりすることを感じることがあります。しかし、一方で同じく40代や50代になっても常に元気でハキハキとしており、疲れを感じさせない人々も存在します。このような人たちと疲れやすい人との違いは何でしょうか?実は、彼らの違いは日常的に行っているわずかな習慣にあるのです。この習慣を実践しているかどうかによって、疲れ方は大きく異なってくるのです。
まず、疲れやすい人と疲れ知らずな人の最初の違いは、休憩のタイミングです。疲れやすい人は、ろくに休憩を取らない傾向があります。一方で疲れ知らずな人は、疲れる前にこまめに休憩する習慣があります。私は心理カウンセラーとして多くの疲れやすい人々の話を聞いてきましたが、彼らの共通点は休憩時間が短いということでした。例えば、一般的な職場ではお昼の12時から1時間が休憩時間として決まっていますが、疲れやすい人ほどお昼にしか休憩を取ろうとしません。
もちろん、お昼に休憩を取ることは重要ですが、それ以外の時間にも休憩をとることは問題ありません。人間の集中力は通常、ほぼ90分が限界とされています。大学の授業も90分単位で設定されているのはそのためです。そのため、12時以外にも休憩を取らずに集中して仕事をすることは無理があります。頑張っても午後には疲れが蓄積され、集中力が切れてしまいます。疲れた状態で作業しようとしても生産性は低下し、仕事の進捗も遅くなってしまいます。
一方、疲れ知らずな人は疲れる前にこまめに休憩を取る習慣があります。彼らは1時間おきに手を止めて10分程度のストレッチをしたり、お茶を飲んで一息ついたり、オフィス内を軽く歩いて体をほぐしたりします。私自身もデスクワークをしているのですが、こうしたこまめな休憩を実践するようになってから、日々の疲労感が軽減されたと実感しています。
実際、ベイラー大学の調査でも、午前中に休憩を取ることで疲れてから午後に休憩を取るよりも生産性をアップできることがわかっています。午後3時になって疲れてきたと感じる人もいるかもしれませんが、その時点ですでに脳は疲れきっています。そのため、休憩をしても効果的に生産性を回復することは難しいのです。しかし、午前中からこまめに休憩を取ることで、生産性を高く保つことができるのです。
考えてみてください。たとえ職場の休憩時間が12時から1時間と決まっていたとしても、それ以外の時間に休憩をとることは問題ありません。休まずに働くことには一種の偉さが感じられるかもしれませんが、実際にはそれが効率を下げている結果となることもあります。頑張りたいからこそ、こまめに休憩を取ることが重要なのです。それによって余計な疲労を蓄積せず、効率的に仕事を進めることができます。
次に、疲れやすい人と疲れ知らずな人のもう一つの違いは、意識の持ち方です。疲れやすい人は被害者意識を抱き、強制的な行動として仕事や家事をこなす傾向があります。一方、疲れ知らずな人は目的意識を持ち、自らの目標や意義に基づいて行動します。
被害者意識とは、誰かから強制的に何かしらの行動をやらされている感覚のことです。例えば、会社の会議に出席するとき、被害者意識を持っている人はつまらないと考えてしまい、早く帰りたいと思い、何も発言しないことが多いです。一方、目的意識を持つ人は、より良い仕事環境を作るために提案をしようと考え、積極的に発言します。
また、家の中を掃除する場合も同様です。被害者意識を持つ人は、「掃除は自分の担当だから仕方なくやる」と考える傾向があります。一方、目的意識を持つ人は、「家を綺麗にすれば家族が健康に暮らせる」という目的を持ち、やる気を出します。
さらに、未経験の仕事を上司から頼まれた場合も違いが現れます。被害者意識を持つ人は、「面倒くさいし、なぜ自分に任せられたのか不満に思うかもしれません。一方、目的意識を持つ人は、「これによって自分のスキルや経験が広がる」と考え、積極的に取り組みます。
さらに、健康のために食生活を見直すように医師から指示された場合も違いがあります。被害者意識を持つ人は、制限されることにストレスを感じるかもしれません。一方、目的意識を持つ人は、食事の改善が自身の健康や将来の楽しみにつながると考え、自制心を持って取り組みます。
このように、被害者意識と目的意識を持つかによって、考え方や行動が大きく異なります。そして、その結果として疲れ方も異なってくるのです。
まとめると、40代50代の疲れやすい人と疲れ知らずな人の違いの一つは、休憩のタイミングです。疲れやすい人はこまめな休憩を取らず、疲れが蓄積されます。一方、疲れ知らずな人は疲れる前に休憩し、生産性を保つことができます。