「仕事ができる人は知っている こびない愛嬌力」。この本は、キャリアコンサルタントであり、約4000人に人材組織開発を教えている両さんが執筆したものです。その中で、本書は一言で言えば「愛嬌があれば仕事がうまくいく」ということを教えてくれる本です。

多くの人は仕事で成功したいと思った時、まず自分のスキルを高めようとする傾向にあります。資格の勉強や英語の勉強、プレゼンテーションの練習など、自身のスキルを向上させるために努力を重ねるのです。確かに、スキルは重要です。スキルを身につけることで、仕事において成果を上げることができるかもしれません。

しかし、スキルを磨くだけではなく、もっと簡単でありながら仕事における影響度がはるかに大きい力が存在します。それが「愛嬌力」です。愛嬌のある人は、上司や先輩からの評価が高く、出世しやすいです。また、部下や後輩からの信頼も厚く、会議の場でも意見が通りやすくなります。さらに、何か困りごとが起こった際にも周りが自然と手を差し伸べてくれるのです。

仕事は個人戦ではありません。それはバトルロワイヤルゲームのApexのようなものです。たとえ一人がスキルが高くても、チームメンバーがお互いを信頼し合っていなければ大きな成果を出すことはできません。チームメンバーが信頼し協力し合うことが、大きな成果を生み出すための鍵なのです。

さらに、人の心というものは感情によって動きます。どれだけスキルがあっても、どれだけ正論で相手を論破しても、人の心は動かないのです。人は、「この人を応援したい」「この人なら相談しやすい」「この人を早く出世させたい」と思われるためには、相手の心に入り込み、相手の心を動かす力が必要です。それが「愛嬌力」なのです。

現在の仕事環境では、テレワークの増加により感情の伝達が難しくなっています。以前のように対面で会議を行う場合は、相手の発言に対して相槌を打ったり拍手をするなどのリアクションを通じて自身の感情を伝えることができました。また、相手のリアクションを見ることで相手の気持ちをある程度理解することもできました。

しかし、テレワークでは相手が話している間にミュートしていたり、画面が小さくて相手のリアクションが伝わりにくいという問題が生じています。さらに、出社してもマスクを着用しているため、表情も伝わりにくくなっています。かつては飲み会を通じて仕事仲間との人間関係を築くことも多かったのですが、現在ではその機会も減少しています。

このような状況からもわかるように、現在の仕事環境では感情が伝わりづらくなり、相手の気持ちを理解する難易度が非常に高くなっています。したがって、自身の感情を表現することに意識を向けなければ、相手に感情を理解してもらうことは困難です。

次に、「愛嬌力」が人間関係の質にも影響を与えることについて考えてみましょう。初対面の人との会話においても、愛嬌のある人は第一印象で好感度が高まります。明るくキラキラとした笑顔で挨拶をしてくれる後輩や、堂々とプレゼンを行いながら身振り手振りのジェスチャーを使う人は、説得力を持っていると感じられるでしょう。

逆に、常に無愛想で無表情、ボソボソと話す人のプレゼンは、内容が良くても説得力を感じられません。例えば、初めて行くコンビニで無愛想な店員に接客された場合、二度とその店に行きたくないと感じることでしょう。つまり、見た目や愛嬌は第一印象に大きく関わるのです。

愛嬌力を高めることで、第一印象だけでなく、人間関係の質も向上するのです。仕事環境は単なる個人のスキルだけではなく、人との関わりが重要です。愛嬌のある人はコミュニケーション能力が高く、周囲の人々とのつながりを築きやすいです。その結果、仕事の効率や成果が向上し、チーム全体のパフォーマンスも向上するのです。

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