【第10章:過去への旅】

大阪の繁華街を彷徨いながら、はるちゃぴはその写真を見つめつづけた。
その顔を覚えている人がいるかもしれない、と思い立って彼女たちは店舗を巡り、写真を見せる作戦に出た。
「すみませーん、この人たち知りませんか?」
はるちゃぴは、レトロな喫茶店の店員に向かって写真を差し出した。店員はしばらく考えてから首を横に振った。
「申し訳ないけど、見たことないなあ…」
次に向かったのは、昔ながらのレコード店。店内には懐かしのアイドルポスターが飾られていて、ここなら…という期待が胸を高鳴らせた。
しかし、ここでも結果は同じだった。
「おお、この子たちはな…」
店主は言葉をつづけるも、残念そうな表情で頭を振った。
「でも、ここ数十年のアイドル界を見てきた俺が見たことないなんて、よっぽどマイナーだったか、もしくは…」
「もしくは?」
はるちゃぴが引きつった笑みで尋ねた。
店主はちょっとした後悔の色を見せながら言った。
「ああ、うーん、まあ、言うほどでもないけど、たまにね、アマチュアのアイドルたちが自分たちで写真を撮ったりすることがあるんだよ。そういうのかもしれないな。」
その夜、シアター・ブラヴォの控室で、メンバーたちは一日の成果を共有した。
そして、それぞれがその日経験したこと、感じたことを話し合った。
「でも、あの写真の彼女たちは、ただのアマチュアのアイドルじゃないわ。」
はるちゃぴは写真を見つめつつ言った。
「彼女たちは私たちと同じく、アイドルとしての夢を追い続けていたはずよ。だから、私たちはこの写真の真実を探し出すべきだと思う。」
「はるちゃぴ…」
ゆまちがはるちゃぴの言葉に共感した表情で言った。
「私たちもその思いを大切にしよう。そして、この謎を解明するために、一緒に頑張ろう。」
ゆまちの言葉に、はるちゃぴは笑顔を見せた。同時に、きよたんとゆうも頷き、団結の意志を示した。
しかし、その一方で、はるちゃぴの心の中では複雑な感情が交錯していた。恐怖、不安、期待、そして何より解決への熱い決意。
はるちゃぴは自分の胸の内を整理しながら、深く息を吸った。明日は、また新たな探求の日だ。そしてその先に、真実が待っているはずだ。
この事件が解決に向かうにつれ、はるちゃぴは自身の中に新たな強さを感じていた。
それは、仲間たちと一緒に問題を解決するための力。そして何より、アイドルとしての情熱を胸に秘めた彼女たちの強さだ。
今回の事件を通じて、はるちゃぴはアイドルとしての道だけでなく、困難な問題を解決するための能力も身につけた。
そしてそれは、今後の彼女たちの活動に新たな活力をもたらすことだろう。
それはまさに、アイドルたちが抱える謎を解き明かすための、はるちゃぴとAll de madeのメンバーたちの大きなステップだった。
そしてこれからも彼女たちは、アイドルとしての夢を追い求めながら、新たな挑戦を続けていくことだろう。
「さあ、明日に向けて、しっかりと休もう。」
はるちゃぴの言葉に、メンバー全員が頷いた。それぞれの心の中には、明日への期待と、解決への強い決意が溢れていた。
そして、シアター・ブラヴォの控室の灯りが消えたとき、はるちゃぴたちはすでに次の日への準備を始めていた。


