
ある日、炭治郎たちは鬼殺隊の本部で、甘露寺蜜璃が過激なトレーニングを強要している様子を目撃する。
炭治郎「甘露寺さん、あれは大丈夫なんですか?こんな過激なトレーニングは…」
甘露寺「ふふふ、炭治郎君、大丈夫大丈夫。私がやってきたトレーニングならば、誰でも乗り越えられるものよ」
炭治郎「でも、人間の限界を超えるようなトレーニングは、身体に悪影響が出るかもしれないんです」
甘露寺「あら、炭治郎君は私が心配してくれているのね。でも、心配はいらないわ。私たちは鬼殺隊だから、限界を超えなければ強くなれないのよ」
その時、甘露寺蜜璃が炭治郎に意地悪なイタズラを仕掛けてくる。
甘露寺「ねえねえ、炭治郎君、私のことが好きなの?」
炭治郎「えっ、そ、そんなことはないですよ。私たちは仲間同士、それ以上でもそれ以下でもありません」
甘露寺「そうなの?でも、私は炭治郎君のことが好きだから、こんなこともしてみたかったんだけどな」
炭治郎「甘露寺さん、ちょっと僕を誘惑してるんですか?」
甘露寺「ふふふ、そうかもしれないわ。私って意地悪でしょう?」
炭治郎「いや、そんなことはないですよ。ただ、ちょっと心配だなと思って…」
甘露寺「心配?私が心配されるなんて、初めてかもしれないわ」
炭治郎「でも、それだけ、甘露寺さんが大事な存在だからです」
甘露寺「……炭治郎君、私もあなたが大事な存在だと思ってるわ。だから、私もあなたを守りたいの」
その時、本部に突如現れた鬼たちが、炭治郎たちを襲いかかってくる。
炭治郎「甘露寺さん、私たちは危険です!早く逃げましょう!」
甘露寺「あら、炭治郎君、今日は珍しいね」
炭治郎「甘露寺さん、何か用ですか?」
甘露寺「特に用はないわ。ただ、今日は珍しい格好をしているから、ちょっと気になっただけかしら」
炭治郎「珍しい格好?何を言っているんですか?」
甘露寺「それはもう、君の体格といい、ファッションといい、どこを見ても珍しいわ」
炭治郎「ええ、そうですか」
甘露寺「あら、炭治郎君、少し面白いことを言いたい気分なの。君をちょっと誘惑してもいいかしら?」
炭治郎「誘惑?甘露寺さん、どういうことですか?」
甘露寺「ただ、君が今日みたいに珍しい格好をしていると、ついつい意地悪したくなってしまうのよ」
炭治郎「意地悪?」
甘露寺「そう、例えば、君のファッションをバカにするとか、冗談でからかうとか、そういうこと」
炭治郎「それって、ただのいじめじゃないですか」
甘露寺「ふふふ、そう言われると、確かにそうかもしれないわね。でも、人は時に、ちょっとした意地悪が楽しいと思うことがあるのよ」
炭治郎「そんなこと、僕には理解できません」
甘露寺「そうね、君は純粋な人なの。でも、私たちは人間で、時には悪戯をしたくなるものよ」
炭治郎「甘露寺さん、僕はそういうことに興味がありません。今度は、もう少しまともな話題を提供してください」
甘露寺「ふふふ、君は本当に面白くないわね。でも、まあ、仕方がないわ。では、別の話題にしましょうか」
炭治郎「それは良いですね。何か面白い話題はありますか?」
甘露寺「そうね、最近、新しい鬼が現れているらしいわよ。君もそのことは知っているでしょう?」
炭治郎「はい、聞いています。でも、まだ情報が少ないので、何か詳しいことがあれば教えて
ください」
甘露寺「ふむ、それは良いことだ。では、私が今日あなたに教えることは、"意地悪"についてだ」
炭治郎「"意地悪"ですか?何かあったんですか?」
甘露寺「いや、私が意地悪をするということだ。あなたにとっては、とても良い勉強になるだろう」
炭治郎「勉強?何を教えてくれるんですか?」
甘露寺「人間の本性についてだ。あなたが鬼になった今、人間を理解することが必要だ」
炭治郎「人間の本性ですか…」
甘露寺「そう。人間は、善良であることもあれば、悪意に満ちた行動をすることもある。それが人間の本性だ」
炭治郎「…」
甘露寺「では、私があなたに意地悪をしてみよう」
炭治郎「え、どういうことですか?」
甘露寺は突然、炭治郎の腕をつかんで力を入れた。
炭治郎「痛い!」
甘露寺「ごめんなさい、意地悪だったわね。でも、あなたはあまり反応しなかった。これは、鬼になったことで感覚が鈍くなったからだろう」
炭治郎「…」
甘露寺「次はこれ」
甘露寺は、炭治郎の前でスイカを切り始めた。
炭治郎「あれ、それは…」
甘露寺「そう、"アンドロイドの心臓"だ。あなたもこのスイカを食べたがるだろう。でも、これはただのスイカだ。人は見た目にだまされるものなのよ」
炭治郎「…」
甘露寺「最後はこれ」
甘露寺は、炭治郎の肩に手を置いた。
甘露寺「あなたは、私に対して兄貴分のような存在だと思っているのかしら?」
炭治郎「え、はい。甘露寺さんは私よりも上の立場だと思っています」
甘露寺「そう、私はあなたよりも年上で、ランクも上だ。でも、私たちは同じ人間だ。私が上司だとしても、あなたが助けを求めたら、助けるのが当たり前のことだ」
炭治郎「はい、分かりました。ありがとうございます。」
甘露寺「それならいいわ。あなたも疲れたでしょう?お茶でも飲みましょうか。」
炭治郎「ありがとうございます。でも、今はまだ仕事があるので、お断りします。」
甘露寺「そう。仕事、仕事って大変ね。でも、私はそんなに真面目にやらなくても、結果は出るのよ。」
炭治郎「そういうこともありますが、私はそれができません。任務がある以上、最善を尽くさなければならないと思っています。」
甘露寺「あら、真面目なんだから、ちょっとくらいの冗談は許されるわよ。」
炭治郎「申し訳ありません。でも、私は仕事に関しては真剣です。」
甘露寺「ふふ、そうね。でも、ちょっとだけ誘惑してもいいでしょう?」
炭治郎「誘惑?何を言われているのか、よく分かりません。」
甘露寺「あら、何を言っているのかしら?もちろん私のことよ。私があなたを誘惑していると思っているのでしょう?」
炭治郎「えっ、いえ、そんなことはありません。甘露寺さんはとても美しい方ですが、私は仕事に専念しているので、そのようなことには興味がありません。」
甘露寺「ふふ、そう言われるとちょっと寂しいわね。でも、まあ、それもあなたの魅力のひとつかしら。」
炭治郎「魅力?何を言われているのか、よく分かりませんが、仕事に戻ります。」
甘露寺「あら、まだ仕事なの?もうちょっと一緒にいてもいいんじゃないの?」
炭治郎「申し訳ありません。でも、任務がありますので、失礼します。」
甘露寺「あら、まだ仕事仕事って。まあ、がんばってね。」
炭治郎「はい、ありがとうございます。」
炭治郎は、甘露寺さんとの会話を終え、任務に戻るために甘露寺の家を後にした。彼は甘露寺さんの言葉に少し戸惑った。
甘露寺は、微笑みながら炭治郎の返事を聞き、少し安心した様子を見せた。
甘露寺「良かったわ。では、私から情報をお伝えしましょう。この度、鬼殺隊の柱である「水柱」が急遽、引退を表明したそうよ。」
炭治郎「水柱が引退?何故ですか?」
甘露寺「その理由は詳しくは分かりませんが、多忙で精神的に疲れたということだそうよ。それに加えて、体調不良もあったとか。」
炭治郎「そうですか・・・水柱の引退は鬼殺隊にとって大きな痛手ですね。」
甘露寺「そうよ。そして、その後任として、新たな水柱が選ばれることになったの。その候補者として、あなたの妹の「竈門禰豆子」さんの名前が挙がっているという話があるわ。」
炭治郎「えっ!? 禰豆子が?」
甘露寺「そうよ。彼女は最近、鬼の力を使わずに人間として生きることが出来るようになったわよね。それが評価されたのかもしれないわ。」
炭治郎は驚きながらも、禰豆子が水柱になることが出来る可能性を知り、胸中に思いを馳せた。
炭治郎「でも、禰豆子はまだまだ修行が足りないと思うし、鬼殺隊の柱になるという責任も重いですよね。」
甘露寺「そうね。でも、水柱になることで禰豆子の成長が促されるかもしれないわ。それに、あなたと柱として協力し合えば、鬼殺隊はより強くなることが出来るわよ。」
炭治郎は、甘露寺の言葉に考えを巡らせ、決意を固めた。
炭治郎「分かりました。私たちは禰豆子をサポートし、鬼殺隊の力を強くしていきます。」
甘露寺「そう言ってくれて嬉しいわ。あなた達兄妹なら、鬼殺隊の未来を担ってくれること間違いないわ。」
そう言って甘露寺は微笑みを浮かべ、炭治郎を見つめました。
甘露寺「私はただ、君に魅力を感じるだけだよ。それに、私は鬼殺隊の柱だから、任務に忠実になければならないんだ。」
炭治郎は、甘露寺の言葉に戸惑いを隠せなかったが、彼女が真剣に任務に向き合っていることを感じ、自分も立ち止まっていた時間を取り戻すことができました。
炭治郎「そうだね、君は鬼殺隊の柱だ。私たちは、鬼と人間の平和を守るために戦っているんだ。」
甘露寺「そういうことだよ。君も、自分が信じる正義を貫いていってほしい。」
炭治郎は、甘露寺の言葉に感謝し、自分が迷いなく進むべき道を見つけたように感じました。
炭治郎「ありがとう、甘露寺さん。私も、自分の信じる正義を貫くよ。」
甘露寺「よし、その言葉を聞けて安心したよ。じゃあ、任務に戻るか。」
炭治郎「はい、行ってきます。」
甘露寺は微笑みながら去っていきました。炭治郎は、彼女の言葉に背中を押され、再び鬼と戦うために立ち上がったのでした。