
1982年4月26日の夜、韓国の南部地方の静かな田舎町で、恐ろしい事件が発生しました。武装した警察官たちが現場に到着すると、そこには血まみれの通りと家々が広がっている光景が広がっていました。叫び声が響き渡り、死体が至る所に転がっている地獄のような光景に警察官たちも混乱していました。犯人は次の標的を探すために冷酷に歩き回り、一晩中町中で人々を殺害して回りました。その凶悪さから、彼が行った殺人の数はギネス世界記録にまで登録されるほどの大量殺人事件でした。その名はウ・ポムゴン、当時27歳の警察官でした。
ウ・ポムゴンは幼少期から父親のような優れた警察官になることを夢見ていましたが、家族の環境が彼の心に大きな傷を残してしまいました。彼の父親は彼が子供の頃に警察署の署長になり、彼を深く尊敬していました。しかし、高校生の頃に父親が病気になり、家族は貧しくなってしまいました。父親の治療費を稼ぐために家を売り払ったものの、父親は亡くなってしまったのです。この悲劇的な経験が彼の学業成績を悪化させると共に、心に深い闇を抱えることになりました。
警察官になった後も彼はアルコール依存症の問題を抱えていました。アルコールに溺れることで怒りを抑えることができず、仕事でも問題を引き起こすようになってしまいました。そして最終的には、彼の怒りと挫折感が大量殺人事件の引き金となったのです。事件当日、彼はささいなことで怒りを爆発させ、それが事件を引き起こす原因となりました。彼はわずか6時間の間に61人を殺害し、35人を負傷させました。
しかし、彼の動機は最後まで謎に包まれたままです。彼の悲しい過去やアルコール依存症、挫折感などが彼を暴走させた要因と考えられますが、彼の行動は最後まで自己中心的でした。ネガティブな感情をコントロールすることは難しいかもしれませんが、それにひたすら耽ることで周囲の人々だけでなく、自分自身も不幸になってしまうことを教えてくれる事件であります。
この事件は、私たちに「Golem効果」という心理現象を考えさせるものでもあります。Golem効果とは、上司や他人からの低い期待によって個人のパフォーマンスが低下する現象です。ウ・ポムゴンは自分自身の行動や周囲の状況に対してネガティブな期待を抱いていたことが考えられ、それが彼の暴走に拍車をかけたのかもしれません。
私たちは、ネガティブな感情に支配されることなく、自己肯定感を持ちながらポジティブな期待を持つことが大切です。ウ・ポムゴンのように、ネガティブな感情に囚われることなく、周囲の人々と共に幸せに生きることを願ってやみません。この事件を通じて、私たちは自分自身の感情に目を向け、自己成長につなげることが大切だと気付かされるのです。


