【ニキビの治療】皆さんの近くの皮膚科は、やはり塗り薬と抗生物質だけ？

皮膚のトラブルは、日々の生活の質を大きく左右する要素の一つであり、その中でもニキビは特に悩み深い症状の一つです。本日は、ニキビ治療の実情と最新の治療方法について、皆様と一緒に考えてみたいと思います。

一昔前までは、近所の皮膚科で炎症した赤ニキビや黄ニキビに対して、炭酸ガスレーザーによる穴開け処置が行われ、その日に膿が取り除かれるという迅速な対応が可能でした。しかも、その費用は保険適用の2700円。この先進的な治療方法により、ニキビの治療は格段に進化したと感じたことでしょう。

しかし、最近の制度変更により、その対応は大幅に変わってしまいました。現在では、治療は予約制となり、当日の膿取り処置は不可能。さらに、一か月に一回までという回数制限が設けられ、ニキビの炎症具合が日々変わるというニキビの性質から考えると、非常に不便な制度と言えるでしょう。

美容外科の場合、同様の治療を提供していますが、費用は1万円以上となるため、経済的には厳しい選択となります。さらに、美容外科の医師から「近所の皮膚科の方が安くていい」と言われてしまえば、悩むこともあるでしょう。

では、他の皮膚科ではどうなのでしょうか？一般的には、塗り薬と抗生物質の処方が主流となっています。これらは、炎症を鎮静化し、ニキビの進行を防ぐ役割を果たしますが、炎症が進んで膿が溜まってしまったニキビに対しては即効性が求められます。

これらの現状を踏まえ、ニキビ治療に関する方針やシステムを再評価する必要があると感じています。ニキビは一見小さな問題のように思えますが、その影響は患者さんの自尊心や心理的ストレスに大きく関わります。つまり、この「小さな問題」が「大きな問題」に発展する可能性があるのです。さらに言えば、適切な治療が遅れた場合、ニキビ跡が残ることもあります。

制度変更によって受診日当日の炭酸ガスレーザー治療が不可能になったことは、治療へのアクセスを制限するものであり、個々の患者さんの症状に応じた柔軟な対応が求められます。また、費用面でも皮膚科と美容外科との間で大きな差があるため、患者さん自身が自分の症状に合った最善の治療法を選べるよう、より多様な選択肢が提供されるべきです。

ニキビ治療の選択肢が限られる中で、ニキビの炎症具合が日々変わるという事実を忘れてはなりません。ニキビは常に変化し、その日その日の状態に応じた対応が必要です。日々の変化を見逃すことなく、適切なタイミングでの治療が求められます。

このような課題が浮かび上がる中で、我々は皮膚科医の役割とニキビ治療のシステムを再考するべき時に来ていると言えるでしょう。ニキビ治療における現状に満足せず、患者さん一人一人のニーズに応え、より良い治療法を求めていくことが、これからの医療の進歩につながると確信しています。