<剣士の家>

隊長「久しぶり! 元気か?」

剣士「お前が来るまでは元気だったよ」

隊長「こないだ部隊を率いて、非人道的な暗殺組織を何とか潰したんだけどさ」

剣士「人道的な暗殺組織なんてあるのかよ」

隊長「お前もいちいち突っかかるね。友達なくすぜ?」

剣士「お前が家に来ると大抵ろくなことがねえからだよ! やれ強盗団と戦うの手伝えだ、裏の闘技場に潜入しろだ……」

隊長「いや、今回は平和的な頼みだ。この子を引き取って欲しいんだ」

少女「…………」

剣士「女の子?」

引用元: ・剣士「ねえねえあいつ殺してもいい?系少女を引き取ることになった」

2: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:00:39.473 ID:Sa8kxORI0
わっふるわっふる

3: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:00:40.919 ID:XKXYX9WU0
人に聞く前に行動しなきゃダメだよ

4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:01:08.771 ID:bp/SHNond
グラトニーを思い浮かべてこのスレを読んでください

>>4
一気に冷めたじゃねえか

>>6
そいつは何よりだ

5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:01:25.811 ID:OLyO4q3Y0
期待

7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:04:08.962 ID:qXQ6EWL90
剣士「この子は?」

隊長「暗殺組織で教育を受けてた子でさ。どこかいい施設が見つかるまで預かってもらえないか」

剣士「なんで俺なんだよ!?」

隊長「強い・優しい・かっこいい。これほど子供を預かるに相応しい存在はお前しかいない!」

剣士「んなキャッチフレーズで売ってた覚えねーよ! お前が預かればいいだろうが」

隊長「俺は残務とか忙しいしさ……。捕まえた連中を事情聴取して、そのうち護送もしなきゃいけないし」

剣士「分かったよ……本当に少しの間だけな」

隊長「おほっ、助かる!」

8: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:07:05.722 ID:qXQ6EWL90
少女「ねえねえ」

隊長「なんだい?」

少女「この人、殺していいの?」

隊長「ダメだよ。君はしばらくこのお兄さんと暮らすんだからね」

少女「はーい」

剣士「! ちょっと待て、なんだ今の」

隊長「あ、ああ……この子、暗殺訓練受けてたろ? だから何かと殺したがるんだ」

剣士「なんだそりゃ!?」

9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:07:25.673 ID:REqimAJId
なろうでやれ

11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:10:12.754 ID:qXQ6EWL90
剣士「おい、そんな子、俺に預ける気かよ!」

隊長「大丈夫だって」

剣士「大丈夫じゃねえだろ。爆弾みたいなもんじゃねえか」

隊長「そこをお前の愛の力で矯正させてあげて欲しいんだよ」

剣士「なにが愛だよ。殺し合いになったらどうすんだ」

隊長「というわけで頼む! いいかい、今から君はこのお兄さんのいうこと聞くんだよ」

少女「はーい」

剣士「おい、待て! ……あ。行っちまった」

12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:11:55.725 ID:k/ac56Wv0
SSとか8年ぶりに見たわ

13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:12:22.778 ID:qXQ6EWL90
剣士「…………」

少女「これからよろしくね、お兄さん」

剣士「よろしく」

剣士「えーと、君の年は?」

少女「年齢? 分かんない」

剣士「分かんないってどうしてだよ」

少女「ほんとに知らないの。大人達は『お前らはいつ死んでもおかしくないから年を数えるなんて無意味だ』っていってたし」

剣士「マジかよ」

剣士(本当に非人道的な組織だったんだな。なんだか気の毒になってきた)

14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:15:25.256 ID:qXQ6EWL90
剣士「ちなみに……人を殺したことは?」

少女「ないよ」

剣士「そうか、ないのか」

剣士(いくらあいつでも、殺しの経験がある子をシャバに出す判断は流石にしないか)

剣士(『殺していい?』ってのはこの子なりのコミュニケーション手段なのかもしれない。聞きはするけど、実行はしないみたいな)

少女「何事も経験だよね」

剣士「まあ、そうだな」

少女「じゃあお兄さんのこと殺してもいい?」

剣士「いいとも」

15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:18:43.212 ID:qXQ6EWL90
ギュオッ!

剣士「!?」

シュバッ! ガシィッ!

少女「止められちゃった」

剣士「…………!」

剣士(あっぶねえ……隠し持ってたナイフで、俺の頸動脈を完璧に狙ってきたッ!)

剣士(とっさに反応できてなきゃ、俺は間違いなく死んでた……!)

剣士(俺だって、初めて敵を殺した時はかなり躊躇したし、しばらく立ち直れなかった)

剣士(なのにこいつは……そんなもん微塵も感じさせなかった……!)

16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:19:39.420 ID:vDilTRAer
期待

17: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:21:25.935 ID:qXQ6EWL90
少女「今度こそ――」

剣士「ちょっと待てぇ!」

少女「?」

剣士「さっきのは無しだ! 俺を殺すのはやめろ! ……俺のいうこと聞くんだろ?」

少女「うん、聞くよ。キャンセルならしょうがないね」

剣士「(ホッ……)ついでにそのナイフ俺によこせ。危ないから」

少女「はーい」

剣士(よく研がれてやがる。とりあえず、これは預かっておくか……)

18: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:24:31.337 ID:qXQ6EWL90
剣士「メシにしよう」

剣士「今日はスープとサラダと……」

少女「いただきまーす!」

少女「うん、おいしー!」

剣士「これでも料理には自信あるからな」

少女「今度教えてよ!」

剣士「ああ、いいとも」

剣士(こうしてると、本当に普通の女の子なんだが……さっきはマジで危なかった。まだ汗かいてる)

剣士(なんとかまともに生活できるよう、教育してやらないとな)

19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:27:51.732 ID:qXQ6EWL90
剣士「君は何かと殺したいようだけど、人ってのは殺しちゃいけないんだ」

少女「どうして?」

剣士「法律で決まってるからだよ」

少女「法律?」

剣士「“決まり”だよ、決まり。こういうことはしてはいけませんって決まり」

剣士「決まりを破ったら、罰を与えられてしまうんだ」

剣士「現に、君のいた暗殺組織だって法律に違反してたから、潰されちゃったわけだし」

少女「じゃあ、罰を与えられてもいいやって思ってたら殺してもいいの?」

剣士「いや……そりゃダメだろ」

少女「どうして? 罰を受けてもいいって思ってるんだよ?」

剣士「どうしてって、うーん……」

20: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:30:10.968 ID:qXQ6EWL90
剣士「人が死んだら、悲しむ人が出るだろう?」

少女「悲しむ人?」

剣士「たとえばほら、その人の家族とか、友人とか……。君だって俺が死んだら……ちょっとは悲しいだろ?」

少女「別に」

剣士「だよね。だけど俺は君が死んだら、悲しくなってしまうんだ」

少女「なんで?」

剣士「そりゃあせっかく知り合った子が……死んでしまったんだから」

少女「よく分かんない」

剣士「ハハ、だよね(俺もなにいってんのか分からなくなってきた)」

21: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:31:04.456 ID:Q2FlZS9L0

22: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:32:23.695 ID:qXQ6EWL90
少女「それに、その理屈だと死んでも誰も悲しまない人なら殺していいってことになるけど」

剣士「いや、ダメだ! 殺しちゃダメだ!」

少女「お兄さんのいってること、よく分からないんだけど」

剣士(俺も我ながらよく分からない)

少女「それにお兄さんだって、人を殺したことあるでしょ。あたし、分かるよそういうの」

剣士「これでもまあ、そこそこの剣士だし……」

23: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:35:41.562 ID:qXQ6EWL90
少女「お兄さんが殺した人達は殺してもいい人だったの?」

剣士「悪い奴らだったからな……」

少女「じゃあ悪い奴は殺してもいいんだ!」

剣士「いや、よくないんだ! 特に君みたいな女の子が……」

少女「ずるいよ、自分ばかり殺してもいいなんて」

剣士「俺も殺したくて殺したわけじゃないんだが……」

少女「殺したくて殺したわけじゃなければ、殺してもいいの?」

剣士「決してそういうわけでは……」

剣士(ダメだ、無理だ。俺にこの子を矯正するなんて。もっとちゃんとした専門家じゃないと……)

剣士(無理に説得とかは考えず、この子と無事過ごすことだけを考えよう……)

…………

……

24: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:42:07.082 ID:Q2FlZS9L0
ビンタするしかねぇ

25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:42:25.500 ID:qXQ6EWL90
剣士(この子を引き取ってから三日経った……)

剣士「サンドイッチ、おいしいか?」

少女「おいしい!」モグモグ

剣士(殺しの話題さえ出さなきゃ普通の女の子だし、そろそろ家の外に出してみるか)

剣士「たまには出かけてみるか?」

少女「うん!」

剣士「じゃあ買い物行くから付き合え」

少女「はーい!」

26: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:44:11.680 ID:qXQ6EWL90
<町>

剣士「なんか欲しいものないのか? 買ってやるぞ」

少女「別にないなぁ」

剣士「ぬいぐるみとかアクセサリーとか……」

少女「だったらよく切れるナイフが欲しい!」

剣士「ナイフはダメだ(俺が危ない)」

少女「ケチ!」

27: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:47:36.882 ID:qXQ6EWL90
剣士(あそこにいるのは……)



チンピラ「オラァ、チンタラ歩いてんじゃねーよ! 殴られてーのか!」

通行人「す、すみません……」



剣士(タチの悪いのがいやがるな。今は面倒事は避けたいし、スルーしよう)

28: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:50:12.681 ID:qXQ6EWL90
チンピラ「おい、そこの」ジロッ

剣士「!」

チンピラ「今俺のこと見てたよな? なに見てんだコラ」

剣士(やべっ、絡んできやがった。めんどくさっ)

チンピラ「やんのかコラァ!」

剣士「や、やりませんよ。どうもすみません」

剣士(ムカつくが、ここは下手に出てやり過ごそう……)

少女「ねえねえ、この人殺していいの?」

チンピラ「あぁ!?」

剣士「ちょっ!?」

29: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:53:15.711 ID:qXQ6EWL90
チンピラ「てめえ、このガキ! 誰を殺していいっつった?」

少女「あんただけど」

剣士「バカ……!」

チンピラ「やってみろや、このガキィ!」ブオンッ

少女「うん、やってみる」サッ

チンピラ「えっ」

少女「えいっ」メキッ

チンピラ「うおっ……!」ガクン

剣士(膝への蹴りで、体勢を崩した!)

30: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:56:19.977 ID:qXQ6EWL90
ガゴォッ!

チンピラ「ぶっ!」

少女「よいしょ」ガシッ

ベキッ!

剣士「…………!」

剣士(顎への掌底、さらに腕を一気にヘシ折った……。この子、素手でも強い……)

チンピラ「いぎゃぁぁぁぁぁっ!」

少女「後は……」

剣士「やめろっ!」ガシッ

チンピラ「ひ……ひいいいいっ!」ヨロヨロ…

31: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:57:12.730 ID:kHW90kNTd
続けて

32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 20:59:39.266 ID:qXQ6EWL90
少女「目に指突っ込んで、首を折ろうと思ってたのに……どうして止めたの?」

剣士「もう勝負はついてた!」

少女「勝負って、あの人はあたしを殺そうとしてたよ? なんで殺しちゃいけないの?」

剣士「それはな……それはなぁ……」

剣士「とにかく、やめろ!!!」

少女「…………」

剣士「帰るぞ!」

少女「はーい」

33: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:02:50.871 ID:qXQ6EWL90
<剣士の家>

少女「すぅ……すぅ……」

剣士(寝顔は本当に可愛い子供なんだよな)

剣士(なのに、いざ戦いになると容赦なく急所狙ってトドメまで刺そうとする)

剣士(おそらく訓練を完璧にこなして、いざ実践ってところで組織が潰されたんだろう)

剣士(このままじゃ、いつかマジで人を殺してしまう)

剣士「…………」

剣士「やってやろうじゃないか」

剣士「お前と……真剣勝負を!」

…………

……

34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:05:42.334 ID:qXQ6EWL90
数日後――

<町>

少女「今日はどこ行くの?」

剣士「食料の買い出しだな」

スタスタ…

剣士「!」

チンピラ「へへへ……」

ゾロゾロ…

少女「あ、この間の!」

チンピラ「ガキィ! この右腕、よくも折ってくれたな! 借りを返しに来たぜぇ!」

少女「仲間連れてきたの? いいよ、やろっか」

剣士「…………」

35: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:08:35.685 ID:qXQ6EWL90
剣士「いや、ダメだ」

少女「え、なんで?」

剣士「ここは俺がやるからだ」

チンピラ「なんだ、てめえはヘタれてた奴じゃねえか――」

ボグッ!

チンピラ「ぐ、ぐふっ!」ドサッ

少女「おおっ!」

剣士「どうした、お前らも来いよ。こいつの仲間なんだろ」クイクイ

仲間「て、てめえ……! やっちまうぞォ!」

36: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:11:14.929 ID:qXQ6EWL90
剣士「お前らなんざ」

バキィッ!

剣士「剣を」

ボゴッ!

剣士「抜くまでもねえ!」

ガゴォッ!

「ぶぎゃああっ……!」ドサッ…

少女「お兄さん、つよーい!」パチパチ

剣士「まぁな」

37: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:14:16.784 ID:qXQ6EWL90
剣士「ほれ」ポイッ

少女「これ……あたしのナイフ」

剣士「さっきから俺と戦いたくてウズウズしてるだろ。いや、“殺したくて”の方が正しいか」

少女「よく分かったね!」

剣士「…………」

少女「ねえねえ、お兄さんのこと殺していいの?」

剣士「ああ、いいぞ。かかってこい」

ギュオッ!

38: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:17:42.976 ID:qXQ6EWL90
ギィンッ!

少女「受けられちゃった」

剣士「どうした、殺せてねえぞ」

少女「分かってるよ!」

ビュババババッ! ギギギギギンッ!

少女「くっそぉ~」

剣士(速いし、狙いも正確。さっきのチンピラ集団も苦もなく全滅できるだろう)

剣士(だが、軽い。真っ向勝負ならまだ俺の方が強いッ!)ブンッ

ボゴッ!

少女「がっ……!(蹴りが、お腹に……)」

39: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:20:24.327 ID:qXQ6EWL90
剣士「そりゃっ!」ガンッ

少女「きゃっ!」ドザッ

剣士「俺の勝ちだな」チャキッ

少女「…………」

少女「あーあ、負けちゃった」

剣士「…………」

少女「じゃあ、刺してよ。あたしの負けだから」

剣士「…………」

少女「どうしたの?」

剣士「…………」ポロッ

少女「え!?」

40: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:21:22.668 ID:0RnH/9IE0
「…………」ボロン

41: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:22:53.579 ID:eJRdmV3R0
久しぶりのSSありがとう

42: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:23:10.252 ID:qXQ6EWL90
剣士「…………」

少女「なんで? どうして泣いてるの?」

剣士「分かんねえよ……」

少女「分かんないって、泣いてるのあなたじゃん」

剣士「なんでお前がこんな風になったとか、なんで俺は女の子に剣を突きつけてるんだとか……」

剣士「色々考えてたら……なんか泣けてきたんだよ」

少女「…………」

剣士「どうした、今ならスキだらけだぞ。今の俺なら殺せるだろ」ゴシゴシ

43: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:26:43.248 ID:qN8VRAr9p
きたe

44: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:27:07.475 ID:qXQ6EWL90
少女「なんでだろ……」

剣士「?」

少女「あたしもお兄さんのこと攻撃したくなくなっちゃった」

剣士「……そうか」

剣士「じゃあさっきの“俺を殺してもいい”はキャンセルだ。帰ろう」

少女「うん、分かった」

スタスタ…

45: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:30:04.881 ID:qXQ6EWL90
<剣士の家>

剣士「ほらメシだ」

少女「ワーイ!」

剣士「今日はお互い運動したからおいしいな」

少女「うん、おいしい」

剣士「さっき俺が蹴ったところ、大丈夫か?」

少女「ぜーんぜん平気!」

剣士「そうか、よかった(やっぱ鍛えられてるな。少しプライドが傷つくが)」

少女「できたらお兄さんとまた戦いたいな」

剣士「俺はごめんだ。色々な意味で(次やったら負けるかもしれんし)」

少女「え~」

46: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:33:24.558 ID:qXQ6EWL90
ある日――

<町>

剣士「今日はなにか食べたいものあるか?」

少女「特にないなぁ」

剣士「ったく、たまには何かねだれよな。子供なんだから」

少女「そんなこといったって」

ニャーン…

剣士「ん?」

少女「猫の鳴き声だ!」

剣士「どこだ?」キョロキョロ

少女「こっちこっち!」

剣士「こういうことは流石だな。かなわねえ」

少女「気配を探る訓練はたっぷりやらされたもん!」

47: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:36:40.570 ID:qXQ6EWL90
子猫「ニャン……」

剣士「建物と建物の隙間に挟まってる……。ったく、どっかの悪ガキがやったんだな」

剣士「どれ、取ってやるか。くっ……!」グイグイ

剣士「ダメだ、俺の腕じゃ太くて……」

少女「あたしがやってみる!」

剣士「え……?(こいつが……人助け? いや、猫助けか)」

少女「んしょっ……」ゴソゴソ

少女「少しずつ……」

剣士「一気に引っぱるなよ。猫が痛がるからな」

少女「分かってる!」

スポッ

少女「抜けたーっ!」

剣士「よくやった!」

48: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:39:38.880 ID:qXQ6EWL90
少女「それじゃあね」

剣士「もう悪ガキにつかまるなよ」

子猫「ニャアン……」トコトコ

少女「え」

子猫「ニャンニャン」トコトコ

少女「やだ、寄ってくる」

剣士「どうやら懐かれちゃったみたいだな」

子猫「ニャアン……」スリスリ

少女「…………」

49: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/12/06(月) 21:42:21.800 ID:qXQ6EWL90
少女「お兄さん……」

剣士「ん?」

少女「この子……飼いたい!」

剣士「!」

少女「飼ってもいい?」

剣士「いいとも。ただし、世話はしっかりしろよな」

少女「うん!」

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