
ひととき融資に頼る女性の事情はさまざまだ。埼玉県在住のホテル勤務・ゆかさん(28歳仮名)が語る。
「今年1月、彼氏がコロナで仕事にあぶれて、20万円貸してくれって。身を切る思いで貸したらそのままドロンされた。私もコロナでホテルは休業していたし、仕事もなし。貯金は残り30万を切り、数か月以内に家賃も水道代も払えなくなる。消費者金融にも行きましたが、審査が通らず。私は容姿に自信がなく、パパ活は無理だと思った。途方に暮れるなか、掲示板サイトを通じて融資が受けられると知ったんです」
ひととき融資で40代男性から15万円を借り、なんとかその月を凌いだゆかさんだったが、苦境は翌月以降も続いた。
「別の男性と“ひとときあり”で20万円借りる約束で、大宮駅前で待ち合わせました。現われたのは薄汚い格好の50代の男で、本当にお金を持っているのか疑問でした。でも車に乗り込むとダッシュボードの上に分厚い財布をドンと置いたので、安心してしまった」
当初、ラブホに行く予定だったが、男性が「車でしたい」と言い出した。
「人気のない所に路駐して、後部座席に移動するといきなり指を乱暴に入れられました。痛くて仕方なかった。濡れてもいないのに生で挿入されて。なぜか男は自分の手の中に射精して、ウェットティッシュで拭いてるんです。それで『ゴミ捨ててくる』とドアを開けた瞬間、走り去った。ダッシュボードの財布はそのままで、中身を見ると段ボールが詰まっただけの空っぽ。最初からヤリ逃げ目的だったのです」
そんな目に遭いながらも、ゆかさんは以降も同じ掲示板サイトでひととき融資を受けている。
「女性って、思った以上にお金を借りる手段が限られている。男性に比べて所得が低いし、信用もない。生きるためには仕方ない。そう自分を納得させるしかないんです」
風俗業界でも、ひととき融資に頼る女性が絶えない。栃木県在住のソープ嬢・あゆみさん(27歳仮名)の話。
「この業界は“濃厚接触”の極みですからね。ここ一年以上はお茶引き(客がつかない)状態が続いて、月収15万円以下なんて月もザラ。自分の生活費と妹の学費の捻出に苦労していました。誤解されることも多いですが、私たちは仕事以外で見ず知らずの人と寝たりはしない。それでも、この職業じゃひととき融資の他にお金を借りる手段はないんです」
昨年12月、あゆみさんは、ひととき融資で15万円を借りる約束を交わした。相手の男性に指定されたのは、宇都宮市内のファミレス。
「待ち合わせ場所には30代くらいでスーツ姿の男がいた。『15万円は貸せない。ひとときありで7万円なら』と約束を翻してきて。一刻も早くお金を借りて帰りたかったので、手で勃たせて、ゴムをつけて騎乗位でサクッと終わらせました。返済は翌月に3万円、翌々月に利子つきで4万4000円を返済しました。
これでも借りられただけマシで、騙されたこともあります。相手は40代くらいの男で、ひととき前にネットバンキングから振り込み手続きをしてくれた。10万円の入金画面を見せてくれたので、それを信じてホテルでセックスしたのですが、後で口座を確認すると着金していない。男が見せたのは振り込み確認ボタンを押す直前の画面だった」
「コロナ禍で女性の貧困問題は深刻化し、ひととき融資に頼るケースは今後も増えていくものと思われます。とくにシングルマザーや風俗嬢は国の緊急小口資金や総合支援などの審査が通りにくかったり、借りるまでの時間が待てなかったりで個人融資しか選択肢がない女性は多い。
“ひととき”などと軽い呼び方ですが、実際は極めて悪質な性的搾取です。個人間のやりとりの上、女性側も借用書にサインしているという弱みがあり、表沙汰になりにくい点も問題です。融資を受ける女性もまた、コロナの被害者だと言えます」
こうしている今も、ネット上の個人融資専用掲示板では、「ひととき」ありの融資契約が次々に成立している。


