MUSEE

――作り続けるほど、完成なる理由

「好き」とは言えない、自分の音楽
曲を作り続けるほど、完成作が怖くなる理由

たぶん、数えきれないくらいの曲を作ってきた。
でも、「本当に自分が好きだ」と言える曲は両手で数えるくらいしかない。

曲作りは人生の一部。
なのに、「完成」させた曲を自分で聴き直すのが、実は一番怖い。 その理由を、作曲家のリアルな心の声で書き出してみます。


🎵【01】作った曲の“数”と“好きな曲”のギャップ

10曲、50曲、100曲――数を重ねていくうちに、 「とても好き」と胸を張れる曲は、実はほんの一握りだと気付く。

  • ・作っても作っても、「これは最高!」と思える曲は増えない
  • ・人に褒められても、自分では“納得いかない”ことの方が多い
  • ・「またこの程度か」と自己嫌悪しながら、次の曲を作る繰り返し
POINT: 「好きな曲」と「作った曲」の数は、必ずしも比例しない。 “数=満足度”じゃないのが、創作のリアル。

【心の声】
「何百曲と作ってきたけど、“これはずっと好きでいられる”と思える曲は、本当に数えるほどしかない。」


💔【02】“壊れた箇所”を聴き返す怖さ

完成させた曲を聴き直すたびに、“壊れた部分”“未完成の箇所”がどんどん目立つようになる。

  • ・「ここのメロディ、不自然すぎた…」
  • ・「ミックスでバランス取れてない…」
  • ・「この和音、やっぱり納得できない…」
  • ・「あの音が浮いてる…歌詞が浮いてる…」

自分しか分からないような小さな傷でも、“人にバレないかドキドキする”。 その部分が流れそうになると、毎回“冷や汗”や“動悸”が止まらない―― 「ここが弱点だ」って自分自身は全部わかってしまうから

【心の声】
「“ここが壊れている”と自覚している部分が曲にあると、
聴き返すたび“ここが流れませんように”と祈るような気持ちになる。」


⚡【03】完成作を“何度も聴き返す”ことの苦痛

プロの世界では、リリース前に何度も自分の曲を聴き返すことが当たり前。 でも、それが一番苦しい作業になることも多い。

  • ・最初は「いいかも」と思っていた部分が、何度も聴くうちに「ダメ」に変わる
  • ・小さな違和感がどんどん“大きな欠点”に見えてくる
  • ・何百回も聴いて「もう聴きたくない!」と投げ出したくなる

リスナーが初めて聴く“新鮮な耳”と、
自分だけが知っている“壊れかけの心”は、絶対に同じにならない。

【心の声】
「作り終えた曲を聴き返すのが嫌い。
自分のダメな部分ばかりが見えてきて、どんどん愛着がなくなる。 “100%”なんて絶対できない。」


🔵【04】100%の曲なんて作れない――「75%リリース」のリアル

よく「100%納得できる曲しか出さない」という人がいるけど、 実際は“75%くらい”の完成度で出すしかないのが現実。

  • ・締切、予算、時間、体力…すべてが「完璧」の敵になる
  • ・“どこか”で線を引かないと“永遠に終わらない”
  • ・納得できない部分があっても、出さないと次に進めない

そして、リリースした瞬間から「この曲への愛着」は急速に消えていく。 「もう二度と聴きたくない」と思うことさえある―― それでも、次の曲を作るしかない。

【心の声】
「完璧を求めても、“納得しきれないまま”出さないと、
次の曲が作れなくなる。 作った瞬間に“終わった曲”は自分の中で“過去”になる。」


💡【05】なぜ“完成作”に愛着が持てなくなるのか

この感覚は作曲家・アーティストだけじゃなく、クリエイター全員に共通するかもしれない。

  • ・作った時点で“興味の中心”が“次”に向かう
  • ・できあがった曲は「他人のもの」になり、自分の“魂”が抜けていく
  • ・リスナーに“好き”と言われても、自分では“もう手放した”感覚が強い

POINT: 完成作は“自分の一部”じゃなくなる「作り終えたもの=もう自分のものじゃない」
その感覚がどんどん強くなる。


🌈【06】「愛着がない」のは失敗じゃなく“進化”の証

完成作に「もう愛着が持てない」のは、決してネガティブなことだけじゃない。

  • ・創作欲や新しいアイデアが“次”へ進んでいる証拠
  • ・「ダメな部分」が見えるからこそ、“次はもっと良くしたい”という進化が生まれる
  • ・リスナーの“好き”と自分の“好き”が違うのは、当たり前
POINT: 愛着が消えるからこそ、新しい自分に出会える。 “100%”にこだわらず、75%でどんどん次に進むことが、
創作を続ける秘訣になる。

【心の声】
「一度完成させた曲を“好きでい続ける”のは、自分には無理だった。 でも、次に進むことでしか進化できないと割り切れるようになった。」


🎧【07】リスナーが愛してくれる部分は、いつも“自分が嫌いな場所”

意外なことに、自分が“壊れている”と思っている部分が、
一番リスナーの“心に残る”
ことも多い。

  • ・ミスや不安定な箇所が“リアルな感情”として伝わる
  • ・“直したい”と思った部分が、逆に“クセ”や“魅力”になる
  • ・「なんか変だけど好き」と言われて初めて、
    “自分が作ったもの”が“他人の心”で生き始める
POINT: 「壊れた部分」「納得できない部分」こそ、
他人には“唯一の魅力”に映ることも多い。

【心の声】
「嫌いな部分が、リスナーには“好き”と刺さる。 自分の評価と他人の評価が全く違うのが、
音楽の面白さでもあると思う。」


🌟【総まとめ】「愛着がなくても、また次の音楽」

何百曲作っても、
「100%好きな曲」なんて、きっと一生できない。

でも、75%で走り抜ける自分を肯定していい。 完成作への愛着がなくなるのは、“自分が変化し続けている証”。

「怖い」「壊れてる」「嫌い」――
その全てが、次の曲への“バネ”になる。

「好きじゃなくても、また新しい曲を作ればいい。」
それだけが、音楽家に許された唯一の救い。


🎀【関連リンク&おすすめSNS】

「100%にならない怖さも、愛着のなさも、全部自分。
また新しい音楽を、好きじゃなくても作り続けていこう。」

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