1: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:34:27.64 ID:V5tBjPv/0
勉強もスポーツも駄目。ヒョロガリのいじめられっ子で陰キャだった。
劣等感の塊だった俺が奇跡的に平凡な幸せを掴むまでの話をしたい。

人生を「春夏秋冬」に例えると多分こうなるだろう。
春(幼年期、少年期)
夏(青年期、壮年期)
秋(中年期)
冬(高年期)

俺の場合、幼年期、少年期は「冬」だった。それは高校卒業まで続いた。

引用元: ・「高校進学は無理」と言われた劣等生のいじめられっ子が日本脱出して平凡を手にするまでの話

>>1
ツッコミどころありすぎ
創作ですとはっきり書いとけバカ

2: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:35:22.18 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 1: スペック】

173/72、バブル末期世代のおっさん、米国永住者
職業:日本でいうSE
家族:妻と子供が二人

俺は勉強ができなった。

俺にはある特徴がある。人の話しやテストの問題の意味がすぐに理解できない。
あと興味がある事以外は頭に入らない。一種のコミュ障かもな。

俺はチビでヒョロガリだった。運動神経もだめだった。
バカ正直で相手に合わせられない。相手が誰だろうと反発する。

こんな感じだから人生で何度が虐められた。

子供の頃は絵が得意だった。
そのせいかあまりバカにされることはなかったと思う。
あと当時の男の子には珍しくピアノを習っていた。

3: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:36:14.11 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 2: やる気ゼロだった】

父親は国立大学を出て大企業に勤めていた。
若い頃は学生運動にハマっていたらしい。
不器用だが真面目な人だ。尊敬はしている。

母親はお嬢様育ちで世間知らず。
勉強もスポーツも駄目っぽい。よく喋るが口が悪い。
良いところ?は割と美人家系。

残念だけど俺の先天的な部分は大体母親似だと思う。

実は、俺には重度の知的障害の妹がいる。
いわゆる「自閉症」ってやつだ。

昔は今と違って自閉症は「親の育て方が悪い」と言われた時代だった。

両親は妹が完治できる希望を持っていた。
次から次へと医者、教育者、霊媒師と「◯◯の先生」を頼って渡り歩いていた。

母は自閉症の妹のことで一杯一杯だった。
俺は母から放置されていた。

母はお嬢様育ちのせいか、子供に何かを教えるには家族以外の誰かに頼むのが当たり前だという感覚だった。

俺も子供の頃から塾やら家庭教師やら何やらいろいろ行かされた。
ピアノ以外はやる気ゼロだったから結果は伴わなかった。

4: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:36:55.84 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 3: 暴力塾に入れられた話】

俺は愛知県出身だ。

俺が学童期から思春期を過ごした80年代はスパルタ、体罰ブームの全盛期。
愛知は日本一?の管理教育、スパルタで悪名高いんだってな。

「戸塚ヨットスクール」や「日生学園」でさえかつては称賛されていた。

小学生当時、うちの近所に暴力塾に入れられた。
メンヘラの主婦が教えていた。
生徒は俺と近所の「ちょっと足りない子」の二人だけだった。

そのメンヘラ主婦の家はちょっと複雑だった。

メンヘラ主婦:当時30位。
メンヘラ主婦の夫:高校教師。メンヘラ主婦は元教え子。
義理の息子:メンヘラ主婦の義理の息子。夫の実子。当時高校生。

その高校生の息子は実の母とは死別したらしかった。
メンヘラ主婦と義理の息子はうまくいってないのが一目瞭然だった。
メンヘラ主婦は「〇〇君~」って腫れ物に触るように接していた。

メンヘラ主婦はそのストレスのはけ口とばかりに俺には超厳しかった。
小学生の俺のことを言葉で罵倒したり、ビンタしたりした。

俺は精神的に追い詰められた。何か言うと「言い訳するな」と俺にビンタする。

もうひとりの生徒の「ちょっと足りない子」は俺以上に殴られてた。

「このメンヘラ主婦はおかしい」と子供ながらに思った。

俺は次第に家にまっすぐ帰らずに自転車で徘徊するようになった。息抜きのつもりだった。
母とメンヘラ主婦は俺の退出時間をノートに書いてそれを阻止しようとした。

次第に俺の父がそのことを問題視し出した。
俺がだんだん非行に走っていると思ったようだった。

「(暴力塾に行くのを)辞めさせろ!!」の鶴の一声で俺は暴力塾を辞めることが出来た。
救われた気分だった。

当時は母親のことを恨んでいた。あのメンヘラ主婦とグルだったからだ。

同時に父親の力は絶大だと実感。

5: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:37:33.11 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 4: 初めて出来た親友→実は残忍なエゴイスト】

小学校5年生の時、俺に初めて親しい友達(以下、ハジメ)が出来た。
ハジメはクラス内のあるグループのリーダー格だった。

俺は絵が得意だったんだが、唯一どうしても勝てない奴がハジメだった。
親しくなったきっかけは、お互い絵が得意だったから。

俺とハジメは将来二人で漫画家になるのが夢だった。
藤子不二雄みたいな合体ペンネームを考えたりして楽しく語り合った。

ハジメは俺よりあらゆる面で才能があったと思う。
絵だけじゃなくストーリーや替え歌を作ったり、想像力全般で才能があった。

その上勉強も出来た。皆がハジメを崇拝していた。

しかし、、、ハジメある一面を持っていた。

誰かをターゲットにして「〇〇を無視するぞ」と。
無視する対象の奴の「有る事、無い事」を延々と述べる。

そんな時ハジメは持ち前の想像力を発揮した。奴の説明は面白く現実味があった。
いつの間にか皆をマインドコントロール下に置いてしまう。

それがハジメにとって楽しかったんだろう。

後から思えば恐ろしい小学生だった。
実は、ハジメは残忍なエゴイストだった。

6: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:38:03.76 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 6: 褒められると思ったら妬まれた】

中学一年時にまたハジメと同じクラスになった。

一年生の最初の頃、音楽の時間に「クラス音楽会」というものがあった。
クラス一人一人が歌でも楽器でも「なんでも良い」ので披露するというものだった。

俺はピアノを習っていたので「エリーゼにために」を弾いた。

俺はハジメは小学校の頃「エリーゼにために」を弾いたクラスの女子に「すげー」を連発していたことを覚えていた。
俺にも「すげー」って言ってくれるんだと思った。

ところがハジメの反応は予想外だった。なぜか怒っているのだ。

その後、合唱コンクールのピアノ伴奏を誰にするかという事になった。
クラスの誰かが手を上げて俺を推薦した。

その時だった、すかさずハジメが手を上げて他の奴を推薦した。

その時俺はハジメがなぜ怒っていたのかようやく理解した。
「妬みだったんだ」と。

その頃から俺はハジメのことが恐ろしくなっていった。

7: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:38:56.70 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 7: かつての親友が恐怖の対象になった】

陸上部に入って同級生で新しい友だちも出来た。

ハジメとは話さなくなっていった。
が、それに比例するように俺へに対する嫌がらせもエスカレートしてきた。

ハジメから見れば今まで自分の「舎弟」だと思っていた奴が自分から離れていくのが気に入らなかったんだろう。

ある日、体育の授業でのこと。

内容は剣道だった。
一人が防具と竹刀を構えて「受け側」となる。
そこへ順番に他の生徒が竹刀で打ち込むという内容だった。

受け手は順番に廻ってきて、一人辺り1~2分で交代。
俺の番になった。次から次へと皆の竹刀が俺をめがけて打ち込んでくる。
ヒョロガリの俺にとって「痛い」「苦痛」以外の何物でもない。集団リンチを受けているような感じ。

その時俺が付けていた防具の「面の部分」が外れて自然に前にすべり落ちた。
そして防具を直している間に時間切れになり俺の番は終了。

授業が終わってハジメが一人で怒っている。
「(俺の野郎)わざと防具をはずしやがって!!」

ハジメは俺が受け側の役を逃れる為、わざと防具を外したと言いまわっていた。

俺は「???」という感じだった。
竹刀を両手に握りながらどうやって防具を「わざと」外せるの???

クラスの奴らは特にハジメに同調していなかった。普通に考えればそうだろう。

俺はハジメの取った行動が恐ろしかった。なぜそこまで俺のことを目の敵にするのか。。

かつて親友だと思った奴が恐怖の対象に変わっていた。

2年生のクラス替えで俺はようやくハジメから離れることが出来た。

ハジメは手塚治虫の漫画のキャラクターの「ロック・ホーム(間久部緑郎)」のようだった。

「宇宙人のように頭がよく、猫のように執念深く、蛇のように残忍な心の持ち主」

ロック・ホームとの最大の違いは、ハジメは美少年ではなかったことだ(笑)
ブサメンとまではいかなかったが、大顔で目と目が離れていた。

天は二物を与えず。

ハジメは一人っ子だった。家も貧しかったようだ。
彼はあれから一体どんな大人になったんだろう。

8: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:39:39.26 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 8: 変態美術教師から目をつけられた→絵の情熱を失う】

うちの中学には有名?な変態美術教師がいた。

いつもスーツ姿着てポマードの匂いがぷんぷんしていた。
エラの張った顎と爬虫類のような小さな目をした男だった。

そいつの美術の授業はクラス全員を体操着に着替えさせられた。

当時女子の体操着はブルマだった。

そして変態美術教師は各クラスに自分が目をつけた女子を「モデル」として使用する。
発育のいい女子が標的にされていたようだった。

彼はブルマ姿の女子を皆の前に立たせる。
そしてデッサンの説明にかこつけて「この曲線が、、」とか言いながら、その女生徒の体を触りまくる。

大抵は棒切れでブルマ姿の女子の体をなぞったりしていたが、たまに素手で触ってた。
先輩の話しでは、触られて喜んでいた女子もいたらしい(笑)

その変態美術教師の「奇行」は生徒の間では超有名だった。
全校生徒が知ってたから当然教員たちも知っていた筈だ。
しかし問題になったという話は聞いたことがなかった。

当時はこんな犯罪まがいの行為が許されていたんだな。

その変態美術教師はサディスティックな面も持っていた。
忘れ物をした生徒は椅子の上に授業中ずっと正座させられた。

そいつは教師どころか人間としてもクズだったと思う。

ちなみにその変態美術教師はハジメのことをよく褒めていたな。
類は類を呼ぶんだろうか。

俺はその変態美術教師に目を付けられた。
忘れ物をしたので家まで取りに帰らせて欲しいと申し出たのがきっかけだった。
もちろん却下された。

その時以来、その変態美術教師は俺に対してキツく接するようになった。
「生意気な奴」と思われたのかもな。
皆の前で俺の作品を罵倒したり、5段階評価で1や2をつけられた。

俺は子供の頃から絵を描くだけが取り柄だった。
だから図画工作や美術だけは成績がよかった。
今までずっと褒められていたのに初めての経験だった。

俺が絵を描く情熱を急激に失ったのはその頃だった。

3年生になると美術担当が変わった。心底嬉しかった。
新しい美術教師は普通の先生だった。
俺の作品を褒めてくれた。美術の成績は再び上がった。

でも絵に対する情熱は戻らなかった。

9: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:40:35.49 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 9: 昼間にゲームセンターに居た→犯罪者扱い】

うちの中学校は「いかなる理由であれゲームセンター禁止」だった。

俺はピアノ教室の帰りにゲームセンター行ったことがある。
ある日それを見回りに来ていた陸上部の顧問の体育教師に見つかった。
時間は午後3時~4時位だったと思う。

俺は咄嗟に「自転車のチェーンが外れて止まっていた」と言い逃れしようとした。
しかしそんな言い訳が通用する筈もなく「嘘を言うならもうお前を信用しない」と言われ観念した。

部活の顧問から担任に報告され反省文を書かされた。

犯罪者扱いだ。

「反省文」と言われても何と書いていいか分からなかった。

俺はゲームセンターに行くのは校則で禁止なのは勿論知っていた。
でもなぜそれが悪いのか分からなかった。

一番辛かったのはその陸上部の顧問の体育教師と以前のように話せなくなったこと。

俺は彼のことが割と好きだったからだ。

両親は意外にも俺のことを責めなかった。たかがこの程度と思っていたのかもしれない。

ゲームセンターに居た(しかも昼間)というだけで学校が子供を犯罪者扱い。

これって愛知県だけだったのか? なんか北朝鮮っぽいと思うのは俺だけ?

10: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:41:01.23 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 10: 両想い?→話すことも出来ないヘタレ】

中2の時、俺の同じクラスの女子で、タレ目で足が長くてちょっとヤンキーっぽい子だった。
芸能人でいば立見里歌(もちろん若い頃)に雰囲気が似てたかな。以下、「里歌」とする。

ある日、俺が教室にいると校舎の横歩く何人かの女子がいてその中に里歌がいた。
「里歌~、ホントに俺君のこと好きなの?」
他の女子が「俺君~~」と俺の名前を茶化すように叫ぶ。

心臓が止まるかと思った。実は俺も里歌のことは「可愛い子だな」と思っていたからだ。

里歌は「俺君、隣の席に座ろうね」と言ってきたことがあった。

男子にそんなことを言えるだけでも肝が据わっている証拠だ。

ヘタレの俺は無言だったと思う。
「からかわれているかもしれない」と思った。
ヤンキーっぽい子がチビでヒョロガリで陰キャで劣等生の俺を好きになる筈がないのだ。

ヘタレの俺は里歌とマトモに話すことは一度もなかった。
万が一「プチ両想い」だったら中学高校時代でたった一度のチャンスだったのに。。

実際にからかわれていたかどうかは分からない。

当時の俺はどうしようもないヘタレだった。
話して確かめることすら出来なかった。

11: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:41:37.61 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 11: 基地外に襲われた→部活の先輩に助けられる】

中2の時、下校時に襲われた。

襲ってきた相手は隣のクラスのDQNだった。
「闇金ウシジマくん」の登場人物「肉蝮」とイメージが重なるから以下「肉蝮」とする。

俺は肉蝮の顔は知っていたが、口を聞いたことはなかった。
肉蝮の体は俺よりふたまわり位大きかった。

肉蝮は下校時に俺を見るなり無言で向かってきた。
俺を押さえつけて何度も何度も俺の腹を膝蹴りを食らわした。
肉蝮は俺に膝蹴りしながら「何だその態度は」みたいなことを言っていたように思う。

痛みは覚えていない。恐怖で頭が一杯だった。

突然肉蝮の攻撃が止まった。

見るとそこには陸上部の部長だった浅地先輩が立っていた。
何か浅地先輩と肉蝮が言葉を交わしているようだったが覚えていない。

肉蝮が俺のことを「(俺の)態度が悪かった」。。。のようなことを言っていたようだ。

浅地先輩は肉蝮に対して「態度が悪いのは君の方だろ」と冷静に言ったのを覚えている。

その後俺は泣いていた。浅地先輩は黙って俺の横を歩いてくれた。

その後肉蝮から何かされることはなかった。

俺はそのことを両親にも先生にも話していない。
恥ずかしかったからだ。「俺が弱いのがいけないんだ」と自分を責めた。

話したこともない男に突然襲われた理由は今でもわからない。

もしかして肉蝮が里歌に気があって、それに対するの嫉妬?と思ったこともあったが、、実際には全く分からない。

お金目当てでもない。恨みを買った覚えはない。なのになぜ?
今思えば肉蝮は一般常識が通じないというかアスペか何か軽度の池沼だったんじゃないかって思う。

俺が弱いからなんだ。強ければ襲われなかったのに。。

浅地先輩はその後しばらく俺と一緒に帰ってくれた。
彼は無口な人だった。背が高くてクラス委員のバッジを付けていた。
文武両道な人だったんだ。

今でも時々浅地先輩を思い出す。出来るならもう一度会って改めてお礼を言いたい。

12: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:42:04.39 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 12: 事務的な教師「お前、高校進学は無理な」】

中学入学時の学年順位は下から3割くらいのところだった。
しかし3年時には皆、受験勉強をするようになったせいか俺は下から1~2割位まで落ちた。

母は泣いていた。泣きながら俺のテストの答案を見せながら俺の顔を何度もビンタした。
「なんでこんなになったの?」って。

俺も泣いていた。みじめだったな。

父は国立大学を出ていて勉強は出来たらしい。
だから息子の俺もそうなって当然と思っていたらしい。

妹は重度の知的障害者で俺にかける期待は大きかったようだ。
両親には申し訳ないことをした。

俺の3年時の担任はバリバリの日教組だった。
実際に日教組だったかどうかは別にして、彼は社会科教師で何かにつけて天皇や自衛隊を悪く言っていたので以下、「日教組N」とする。

日教組Nはバスケ部の顧問で背が高くそこそこ人気はあったが、表情も声も常に一定で冷くシニカルな物言いだった。

日教組N「お前の学力で高校は無理だから、専門学校に行け」
という感じだった。

担任は、教え子の人生を左右する場面でも事務的で冷たかった。
「他人の子が人生詰もうが知ったことじゃない」といった感じ。

底辺高校の一つを受けさせてもらい合格した。

13: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:42:51.70 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 13: 暗黒の高校時代(1)ー DQN高校入学早々イジメを受ける】

俺は底辺高校へ入学した。案の定DQNばかりだった。

入学早々俺はクラスのDQNに目を付けられた。
俺の席の近くに座っていたのはガラが悪そうな連中ばっかりだった。

俺は緊張していて顔がこわばっていた。それが「なめてる」ように見えたらしい。

先生が黒板を見ている隙に二人(AとBとする)のDQNが俺を小突く。それを延々と繰り返した。

俺は当時身長160位でチビだった。AとBは俺よりふたまわりは大きく見えた。

俺は怖くて悔しくて声を押し殺して泣いていた。それが余計にDQNには面白かったらしい。
「ピーピー泣くな」
「お前は俺たちに殴られる資格がある」
奴らは執拗に俺を小突き続けた。

他のクラスメイトは見て見ぬ振りだった。

授業後、俺はまっすぐ職員室へと向かった。
俺は職員室で最初に会った先生の顔をみるとそれまで抑えてきた涙が一気に溢れた。

その先生は「入学早々可哀想に。。」と俺に同情してくれた。
他の先生に今日あった事を説明した。

次の日から俺を小突いていた主犯格のAとBは学校に来なかった。
停学になっていた。

担任はクラス皆の前で「イジメは許さない。B(主犯格の一人)については退学を勧告する」と言った。

DQN高校だったがそういう問題にはしっかり向き合っていたと思う。

俺の中学の日教組教師のような「事なかれ主義」よりはマシだったと思う。

数日後、主犯格の二人が両親と一緒に俺のうちに謝罪に来た。
主犯格Aは俺を見るなり「ごめんなさい」と言った。
Aの母親は俺をみるなり「あら~、かわいい子じゃない」と言った。
息子のヤンチャには慣れっこという感じだった。

Bの両親は狼狽した様子だった。
Bは憮然とした様子で自分がしたことを理解していない様子だった。

その後、Bはしばらく学校に来ていたがいつの間にか来なくなった。

退学したようだ。

14: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:43:13.66 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 14: 暗黒の高校時代(2)ー 極真空手に入門→むち打ち症】

俺が弱いばっかりにイジメられ続ける。

当時「空手バカ一代」という漫画が流行っていた。
中学時代の友人で極真空手の道場に通っている奴がいた。

俺は彼らと同じ極真空手の道場に入門した。

極真空手の組みては顔を拳で殴る以外は基本的に何でも有りだった。

俺はチビでヒョロガリで身体能力も低かった。
いくら極真空手をやっても弱いことには変わりなかったと思う。

入門して間もなく、組み手の最中に転ばされて後頭部を強く打った。
一瞬意識が遠くなった。

翌朝、布団から起き上がれない。首が痛くてしょうがない。

幸い病院でレントゲンを撮ったが異常なし。それでも痛みは収まらない。

両親が見つけた腕がいいと評判の整体医に診てもらい分かった。
整体医によると「むち打ち症」だった。結構重症とのこと。

俺の首をバキ、ボキってやってその時は治った。
整体医って「すごいな」って思った。

ムチ打ちになっても空手を辞めることはしなかった。
白帯から始まって、青、黄色と進級していった。

友達も出来た。俺と同じでイジメ対策で入門したらしい。
こういうのがモチベーションになると人間って強いんだなって思う。

稽古はキツイというより痛かった。脛は常にボコボコだった。

友達も出来たし道場の先輩との交流もあった。
DQN高校にいくよりずっと楽しかった。

15: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:43:43.63 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 15: 暗黒の高校時代(3)ー DQNに怯まなかった結果】

俺は入学早々起こった例のイジメ騒動のせいでクラスに友達はできなかった。

というか、俺がDQNにイジメられた時に「見て見ぬ振り」をした奴らを許せなかった。
今更あんな奴らと仲良くしたいなんてこれっぽっちも思わない。

だから俺はいつもクラスで一人だった。一人でいる方がマシだったからだ。

俺には空手道場の友達がいる。

しかし一人でいる弱そうな俺をターゲットにするクソ野郎はまだいた。

そいつは元野球部のDQNだった。以下、Cとする。

Cは授業中後ろから消しカスを投げてきた。

「(先生に)チクりやがって」「幼稚園児だな」
俺をイジメて、AとBが停学になったのは皆知っていた。
Cはその事をネタに俺に嫌がらせの暴言を吐いてくるようになった。

俺は黙って耐えていががある日遂にCを睨み返した。
Cはすかさず「なんだおめー」と立ち上がった。

遂にこの時が来た。と思った。
道場の友人の顔が頭をよぎった。

俺やるよ。。。道場の友人、先輩達の顔が浮かんだ。
ローキック、下突き、肘打ち、金的蹴り、、力はなかったけど知識は増えていた。

俺は拳を握って勢いよく立ち上がった。拳の握り方も素人の時とは違う。
道場の仲間が一緒に居てくれる気がした。そのせいか不思議と怖さは感じなかった。

俺の全身から「本気のオーラ」が出てたんじゃないかな。

俺が立ち上がると、Cはそのまま座り込んだ。

それ以来Cはちょっかいを出してくることはなくなった。
喧嘩を売っておいて自分から引き下がったことでメンツを失った?

あのまま喧嘩になっていたら、間違いなくCの方が強かっただろう。
空手をやっていたとはいえ、所詮俺は非力なヒョロガリにすぎない。
相手は元野球部で体も俺より大きかった。

勝ち負けよりも「怯まなかった」ことが効いたんだ。

空手をやってよかったと思った。

16: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:44:19.91 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 16: 人生の「冬」の終わり】

俺は三流の工業大学を推薦で受けたが見事に落ちて浪人することになった。

俺は高校入学時、身長は160位だったが卒業までに173まで伸びた。
少なくともチビではなくなっていた。

パーマをかけた。東山紀之(若い頃)みたいな髪型になった。

中学生時代の友人は背が伸びた俺を見ると大抵「変わったねー」って言ってくれた。

ある日バス停の前をバイクで通りかかった。
そこでバスを待っている里歌を見た。4年ぶりだったが間違いなく里歌だった。

俺はフルフェイスのメットを被っていた。

俺はバイクを路肩に止めて里歌と話そうかどうか迷った。
「もう里歌は俺のことを忘れてるかもしれないし」とか余計なことばかり考る。
結局、俺はそのまま走り去った。

「また同じバス停で会えるかもしれないし。。」とその時は思った。
しかしそんな「都合のいいチャンス」は二度と訪れなかった。

相変わらずヘタレだった俺は最後のチャンスを失った。

俺は一浪後、某自動車系DQN短大に合格した。

17: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:44:58.53 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 17: 女の子っぽい顔+背が伸びた+パーマをかけた+制服=化学反応】

俺は親からずっと禁止されていたアルバイトするのが憧れだった。

俺はディスコのウエイターのバイトに応募した。
動機は女の子と親しくなれそうだったから(笑)。

子供の頃は陰キャのヒョロガリのいじめられっ子だった俺。
彼女が出来た経験はもちろんゼロ。コンプレックスの塊だった。
そんな俺がディスコのウエイターになった。

俺の顔は母親似で子供の頃は女の子に間違われたりした。
伸びた身長。ジャニーズのような髪型。ウエーターの制服。

それらの組み合わせによる「化学反応」が起こった。

急に女の子から話しかけられるようになった。今までの暗い子供時代を全て吹き飛んだようだった。

俺の人生の「春」が始まった。

18: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:45:30.28 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 18: ディスコのウェイター時代(1)ー 陰キャ男とヤンキー系ギャル】

時はバブル末期。世の中はまだ輝いていた。
ディスコのバイト。それは俺の想像を超える世界だった。

「新しく入ったの?頑張ってね」
「かわいい、私と付き合わない?」

次々に女の子が俺に話しかけてくる。
ずっと陰キャだった俺にとっては超刺激的でだったのは言うまでもない。

そんなある日、あるギャルと知り合った。

芸能人でいえば、石川ひとみの口をちょっと大きくした感じ。
以下「ひとみ」とする。

ひとみは当時なんと15歳。中学3年生。俺より4つ下だった。

ひとみとバイト仲間でナンパ師のX会話していた。営業後に待ち合わせる約束をしていた。
メンバーは俺とX、ひとみと彼女の友達の計4人。

最初Xは「俺は可愛い方(ひとみ)貰うからよ」と言っていた。
しかし、ひとみは俺の方にずっとくっついてきた。
後で知った事だが最初から俺に興味があったそうだ。

いつの間にかX達と離れて俺はひとみと二人っきりになっていた。

ひとみが中3だと知ったときは驚いた。ミキハウス好きなヤンキー系ギャルだった。

俺「もしかしてスケバン?」
ひとみ「裏バンかな」
意味がよくわからなかったW

店は18歳以上というのは建前で、実際は化粧で誤魔化した高校生ぐらいの年齢の子が殆どだった。

俺はひとみと深夜の新舞子の海辺までドライブした。1月の深夜の浜辺は寒かった。

俺はひとみとジャケットに二人羽織状態で二人で無理やり着て、大笑いながら深夜の海辺を歩いた。
夜が明けてひとみを七宝町の彼女の家まで送った。青春だった。

バレンタインデーの日手作りチョコを貰った。
手作りチョコなんて、俺の人生で最初で(おそらく)最後だった。

ひとみは間もなく中学を卒業する。卒業後は美容師になりたいのだという。

ひとみは明るい子だった。彼女の両親は離婚していた。二人の兄がいるらしかった。
話を聞く限りだと明るいDQN一家のようだった。

ひとみは自分の彼氏や友達を誰かに紹介するのが好きだった。
ある日遊び仲間のある子に俺のことを紹介した。

その子は南野陽子みたいな感じの整った顔立ちの子だった。以下、「陽子」とする。

陽子はなぜか俺に積極的に話しかけてくる。
後で陽子に聞いた話しだがひとみから俺を奪ってやろうと思ったんだそうだ。

それからしばらくしてひとみは俺を避けるようになっていった。
最初は訳が分からなかった。

噂で聞いたがひとみは他の男のことを好きになったらしい。

俺は落ち込んだ。

19: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:45:53.61 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 19: ディスコのウェイター時代(2)ー 陰キャ男とニート系ギャル】

俺はその後、陽子と仲良くなった。よく長電話した。
陽子は当時17歳。俺より2つ下。高校中退で時々バイトをしている程度のその日暮らし。
当時は「プータロー」って言ってたけど今でいう「ニート」かな。

陽子の性格は男っぽくサバサバしていた。
本人曰くサンミュージックという芸能事務所の二次審査まで行ったとのこと。
本当かどうか知らないが確かに整った顔をしていた。

一度俺の部屋で一夜を明かしたことがあった。なにもできかなったけど。
陽子はずっとこちらを向いて寝ていた。でもヘタレの俺は指一本触れることが出来なかった。

陽子は「ひとみから俺を奪いたかった」と言った。
他の女から男を奪うことで己のプライドを満足させる。
それは陽子のような子にとってゲーム感覚だったんだろう。

数日後、陽子が俺を急に避けだした。
噂では別の男を好きになったらしい。俺はまたまた落ち込んだ(笑)

ディスコの常連の女の子は多かれ少なかれ大体そんな感じだった。

高校中退、ニート、ホステス、片親。。。若くして複雑な事情の子ばっかりだったが、厳格な両親の元で育った俺にとってはそういう「不良っぽい遊び人」の女の子達は輝いて見えた。

彼女らは「色恋の達人」で、俺はそういう子達に振り回され続けた(笑)

急に陽子が店に来なくなった。噂ではシンナーをやっていたのがバレて出禁になったらしかった。

しばらくして、俺はひとみとまた話すようになっていた。
以前の「男女の仲」というよりは「友達以上恋人未満」になった。

それからひとみとは数年間に渡って連絡を取り合うようになる。

ひとみは住み込みで美容師の見習いをしていたが結局1~2年位で辞めてしまった。
結構ブラックな労働環境だったようだ。

その後、ひとみは錦という繁華街でホステスとしてデビューした。
結局そういうのが性に合っていたようだ。

20: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 07:54:31.09 ID:V5tBjPv/0
埋め立てでしょうか?
というエラーが出た。しばらく休んだほうがいいのかな?

21: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:01:48.65 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 20: ディスコのウェイター時代(3)ー 陰キャ男とチーマー系メンヘラギャル】

その娘は店によく来ていた。背は165位で小顔。髪は長いポニーテール。
「かっこいい系」で工藤静香(もちろん若い頃)を丸顔にした感じ。
以下「静香」とする。

静香は当時18歳のニート。俺より1つ下。高校には行っていなかった。

背が高いからダンスフロアで踊る姿がサマになっていた。
俺は「素敵な子だな」って思ってた。
静香は時々俺に話しかけてくれた。

ある日、静香は恥ずかしそうに「私(俺君のこと)好きじゃんね」と三河弁で言われた。
こんなド・ストレートは初めてだった。

俺は仕事の後待ち合わせて静香と会った。そして深夜の新舞子までドライブ。
堤防に並んで座ってそのままキスをした。そこまでは素敵な展開だった。。。
しかし、、、俺は違和感を感じていた。静香は俺の目を見ない。。。

照れているのかと思ったが、ちょっと他の子と違う。
話す時人の目を見ない。テンションが高い。会話が噛み合わない。一方的に話す感じだった。

「俺君、うちらって付き合ってとる?」と聞かれたので、、、思わず「うん」と言ってしまった。

静香の家庭も両親が離婚していて父親と暮らしているらしい。
静香が俺に手紙をくれた。びっしり字が書いてあるが内容がよく分からない。。。
時々「早く死にたい」とか書いてある。なんだか「心の闇」を感じた。

俺はひとみとも陽子もキスすら出来なかったが、静香とは最後まで行ってしまった。
場所は俺の部屋だった。あれが俺のDT卒業だったんだな。

俺は当時ハタチだったから「ヤラハタ」だった訳だ。
静香は俺で「6人目かな。。。」って言ってた。

布団の中に二人でいるところを母親に見つかった。母は般若のような顔をしていた。

静香を慌てて車で連れ出し、駅まで送った。
その時「電話する」と言ったが、、、その日は電話しなかった。。。気が重かったのだ。。。

翌日、店で静香に手紙を渡された。
「電話くれませんでしたね。。。(中略)。。。好きだから別れてください」

静香には申し訳ないがその時正直「ホッとした」自分がいた。。

その後、ひとみのDQNネットワークから話によると、静香はその後も俺の話をしてたるらしい。
「なんで私別れたんだろう。。。」とか言っていたらしい。

色恋には「法則」があるように思う。
「追われれば逃げる。逃げれば追う」
「相手が自分を好きになれば勝ち。そしてまた次の相手を探す」

俺は静香のことを「ちょっと無理かも」と思っていた。
その気持が態度に出ていたと思う。だから静香の心は「逃げれば追う」状態だったんじゃないかな。

その後、噂で静香は結婚したと聞いた。出会って2週間の「スピード婚」だったそうだ。
相手はひとみのDQNネットワークのヤンキーの一人だったそうだ。

静香らしいなって思った。
しかし、すぐ離婚したそうだ。その時相手にお金を請求して色々トラブったらしい。

「やっぱり。。。」という気がしないでもなかった。

静香はメンヘラっぽかった。

「パンクの静香」って呼ばれてたみたいだ。当時「パンクス」と呼ばれた若者集団があった。
今で言う「チーマー」のようなものだろう。

22: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:02:16.98 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 21: ディスコのウェイター時代(4)ー 陰キャ男とお水系ギャル】

ある日店内で俺に話しかけてきた子がいた。
「お兄さん、彼女いるの?」「居ても関係ない。私迫っちゃお~」

その子の背丈は155位。当時17歳の高校生。俺の2つ下。
キリッとした大きい目と卵型の顔。服装は派手目だった。

顔の造りは浅野温子(もちろん若い頃)を若干「アヒル口」にした感じ。
以下「温子」とする。

「(電話)かけて」と俺に名刺を渡してきた。名刺には『温子 ー ママの娘』と書いてある。

温子の両親も離婚していた。
東新町という繁華街のマンションに母と姉と3人で住んでいた。

実の母はスナックの経営していた。つまりスナックの「ママ」だ。
温子は母親の店でバイトしていた。つまりママの娘で「ホステス」だ。

温子はとにかく明るくて話しが面白い。陰キャの俺は明るい子に惹かれるようだ。

しばらく楽しい電話の日々が続いた。
お互いの家族のこと、学校の事、将来の夢などを話し合った。

温子はその頃高校を中退した。理由は覚えていない。高校を辞めてからはホステス一本になっていた。

伊勢のパールロードで温子とドライブデートをした。
車の中で初めてのキスをした。ずっとこの時間が続けばいいと思った。

しかし楽しかった日々は突然終わりを告げた。

温子は急に電話に出なくなった。楽しかった日々が一転放置プレーの日々W

放置プレーに耐えかねた俺は、温子が働いていたスナックに初めて客として会いに行ったのだ。
「色恋の法則」では完全に詰んだ状態W

一人でスナックに行く度胸はなかったので友達に一緒に行ってもらった。ひとみも一緒だった。
みんなヘタレの俺のために一肌脱いでくれたわけだ。

二人っきりになった時「なんで電話に出てくれないの?」と温子に聞いたが適当にはぐらかされた。
かっこ悪かったな。。

後に友達から聞いた。温子は別の人と付き合い出したんだそうだ。

「俺さんって暗いじゃん。私もうちょっとノリがよくないとダメなんだわ~」って言ってたらしい。

「そうだったのか。。」納得して不思議と気が楽になった。
俺だって静香にしたこと考えると因果応報かな。

温子は自分に自信満々だった。
友達の話しでは「どんな男でも私を好きにさせる自信がある」と言っていたらしい。

陰キャの俺にとっていい経験をさせて貰ったと思ってる。

23: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:02:41.80 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 22: 就職→1年で退職→フリーター→転落】

ディスコのウエイターのバイトは合計1年半くらい続いたと思う。
ある日、ダンスフロアを眺めながら、ふと思った。

暗い子供時代だったが、今はこんな楽しい。。。
このバイトはせいぜいあと数ヶ月。。。
今後の人生でこんな楽しい時間は二度とないだろうな。。。

しかし、やがてその「二度目の楽しい時間」は「別の形」でやってくるが、それは後の話。

俺は地元の自動車関連の会社に就職した。

元の陰キャ生活に戻ったが、「色恋の達人達」に揉まれた結果「女の子への苦手意識」みたいなものは完全に無くなっていた。

当時22歳。このまま地元で人生を終えていくのが嫌だった。
漠然と東京へ行きたいと思っていた。

当時の俺は後先考えないで行動していた。
会社を1年で辞めて東京へ行った。気がつけばフリーターになっていた。

親はもう俺のことを諦めていただろうけど。。。

三軒茶屋のアパートに住んだ。家賃は当時8万位だった。
バブルがちょうど崩壊した頃だった。

東京ってお金ばかりかかってやたらストレスが貯まる。
知り合った友達からリゾート地のバイトに行かないかと誘われ乗ることにした。
その手のバイトのことを配膳って呼ばれてた。

動機はお金だった。人生転落。

24: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:08:06.65 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 23: 転落人生 ー 陰キャ男と田舎系ギャル】

ここから3年間は人生で一番時間を無駄にしたかもしれない。
あまり振り返りたくないが、この部分を飛ばしたら次への繋がりが説明できない。

俺はそのホテルのバイト時代に彼女が出来た。
彼女はそこの正社員で秋田の高校を出て就職したらしい。

「ザ・東北美人」って感じだった。背は168。当時19歳。俺の4つ下だった。
似ている芸能人といえば壇蜜かな。壇蜜の背を高くして若干ぽっちゃりさせた感じ。

壇蜜だと仮名として使いづらいので以下「美咲」とする。

美咲は純真無垢で田舎者で世間知らず。
彼女の失恋直後で傷心中にタイミングよく俺が現れた。そんな成り行きだった。

美咲の元カレはDQNだったという。
俺から見れば美咲もDQN、というか天然だった。

美咲とは3年間付き合った。思い出も沢山ある。
彼女の実家の秋田にも行ったことがある。鹿角市の近くでのどかな所だった。

美咲の家族にも会った。彼女も母子家庭だった。
父親の記憶はなく、写真も見たことがないという。

美咲が3歳の頃両親は離婚したんだそうだ。父親が家にお金を入れなかったらしい。
ダメ男だったんだな。でも美咲の外見からすると多分男前だったんだろう。

美咲は良く言えば純朴、悪く言えば世間知らずで節操が無く、流されやすい子だった。

美咲と俺が出会った職場のホテルには、某ネズミ講の上級販売員の男がいた。
口はよく回るが「男性的魅力ゼロ」。以下、「O村」とする。

O村は小金を持っていた。よく職場の女の子達を連れて飲み食いしていた。
いわゆるメッシー君だ。美咲も連れ回されるメンバーの中一人だった。

「またO村さんにご飯食べさせて貰おう。」と悪びれる様子もなかった。
俺は美咲に「行くな」とは言えなかったが、内心「プライドないの?」って思ってた。

俺が女だったら「私は餌に釣られる程度の安い女じゃない」って思うんじゃないか?

前にも言ったが、美咲は父親の存在を知らない。

やっぱり子供に父親は必要なんじゃないか?
父親は子供にとって男の見本なんじゃないか?
美咲にとって、男はお金を出してくれるだけの存在なのか?

美咲はデートの時お金は1円も払わなかった。男が全部払うのが当然と思っていたようだ。
感謝してる様子もない。俺はそういう所にストレスを感じていた。

美咲は悪い子ではなかった。DQNで天然だったがそれが逆に愛おしくもあった。

でも残念ながら尊敬の対象ではなかった。男女関係でもお互い尊敬の念は必要だ。
それがなければ「お金か体目当て」になってしまう。

それは俺の態度にも出ていて、美咲は自分が「見下されている」と感じていたようだ。

次第に関係がギクシャクしていった。最後は俺が振られたんだけどな。

25: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:08:44.77 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 24: 「一生に一度」のつもりが】

俺はホテルのバイトから足を洗うことに決めた。
いつまでもこんなこと続けられない。

お金は結構溜まっていた。
アメリカに親戚が居たので「一生に一度の海外旅行」に行こうと思った。

しかしそこで人生が変わった。
ディスコのバイト時代「この先、こんな楽しい時間は二度と来ない」と思っていた。

その「二度目」が来たんだ。しかし「楽しい」ではなく「リア充感」だった。

親戚の家はマサチューセッツ州の某都市にあった。

何もかも新鮮だった。当時の英語力はゼロ。親戚の計らいで移民向けの英語教室に2ヶ月通った。
自慢じゃないけど俺は中学の頃一番嫌いな科目が英語だった。

でも日本で見た英語教育と全然違った。まず教科書がとても面白い。

日本の英語の教科書は受験英語の為に作らてている。今見てても息が詰まる感じ。

アメリカで俺が最初に見た教科書は非英語圏からの移民用に作られてた。
ちなみに、確か Side-by-Side っていう名前の本だったと思う。有名な英語教本みたいだ。
内容が生き生きしていて面白かった。

2ヶ月後には片言に毛が生えた程度まで喋れるようになっていた。
俺は元々聴覚が敏感だし、よく喋る方だ。自分に向いている気がした。

マサチューセッツの港町の美しい街並み。
世界中から来たクラスメイトと当時はまだ片言の英語で会話出来ていた自分。
中南米から来た女の子達のかわいさ(笑)
この「リア充感」。このまま日本に帰りたくなかった。

自分が知らなかった世界がそこにあった。それをもっと見たいと思った。

一生に一度の海外旅行のつもりが「留学」という目標が出来た。

ちなみに美咲に振られたのはこの頃だ。
彼女は俺が留学することは知ってたので。

美咲「アメリカに遊びに行くから連絡先決まったら教えてね」
美咲「もし(俺に)彼女が出来ていたら、そのまま帰る」。。。

別れる相手に言うセリフじゃないんだけどな。
3年はそれなりに長かったし、若干の名残惜しはあったのかな。

26: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:12:00.41 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 25: 留学生時代(1)ー 底辺男とタイの超ドSお嬢様】

当時の日本はまだバブルの余韻が残っていた。
日本の物価は相対的にアメリカより高かった。今は逆だけど。

当時はアメリカの学生ビザは簡単に取れた。俺はNYの語学学校に入った。
語学学校は日本人だらけだった。俺みたいなフリーターの語学留学生は沢山いた。

今アメリカの語学学校は中国人だらけだという。
日本の国力が相対的に落ちたってことだ。

俺は語学学校でタイから来ていたある女の子と親しくなった。

背は165位。中国系で色白。長い黒髪。当時22歳。俺の4つ下。
ヴィッキー・チャオ(昔の)みたいなイメージかな、以下「ヴィッキー」とする。

ヴィッキーの性格は、、

ひょうきん
超ドS
気が強い
高慢ちき
私は特別な存在
私は美人(と自分をネタにしていたが不思議と憎めなかった)

胸は小さいが本人はそれすらも自虐ネタにしていた。

ヴィッキーはタイの有名な大学を出ていてそれを鼻にかけていた。
卒業式のアルバムを誇らしげに俺に見せた。

後から知ったけどタマサート大学というらしい。

日本人と違ってタイ人で留学できるのは裕福な家の子だけだ。

ヴィッキーは家族の愛情を一心に受けているのは分かった。
超ドSで高慢ちきだが情が厚い。家族の愛って大切だ。

彼女はこちらで政治学の博士号取得を目指しているという。
将来は外交官になりたいという。

俺にとって「エリートキャラ」の女の子と仲良くなったのは初めてだった。
教養もあってユーモアもあり、おまけに上容姿端麗(だから高慢ちきだった)。

俺は内心羨望の眼差しで彼女を見ていた。
ヴィッキーも俺のことをちょっと意識している様子だった。

ヴィッキーは母国で幼馴染兼、7年付き合ったボーイフレンドが居たらしいが「振った」という。
その元カレは彼女の召使いのように「何でも言うことを聞いた」そうだ。
超ドSのヴィッキーにはピッタリだ。言えなかったけど。

元カレの写真を見せてもらった。元カレとヴィッキーが手をとりあっている。
ハンサムな超お坊ちゃんという感じだった。

素人が撮ったスナップではなく、プロが撮ったような感じだ。
「ザ・上流階級」って感じだった。

いろんな世界があるんだな。。。

ヴィッキーはその元カレとキスもしなかったという。

俺「7年も付き合ってて(元カレと)キスもしなかったの?」
ヴィッキー「ここだけにされた」

彼女は自分の頬を指差した。
元カレに手を握ってもらったことが気持ちよかったんだそうだ。
なんか微笑ましかった。

俺とヴィッキーはNYのクイーンズという所に住んでいた。移民だらけの街だ。
ある日一緒の地下鉄で帰った。俺と彼女はドアの真横に向かい合って立っていた。

ドアが空いた。

降り際に「See you」とヴィッキーの唇を奪った!

最初からそれを狙ってた訳ではなかったが、、、急に思いついて、、成り行きだった。

怒るんじゃないかと思ったけど、彼女はちょっと困ったような表情だった。

高校卒業まであんなにヘタレだった俺。。。
「俺は元カレとは違う」という気持ちがそうさせたのか?

「よくあんなこと出来たな」って今でも思う。

27: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:14:45.75 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 26: 留学生時代(2)ー NYで一番の思い出をありがとう】

アパートの部屋に戻って間もなく、案の定ヴィッキーから電話がかかってきた。

ヴィッキー「なんでキスしてきたの?」。。(中略)
ヴィッキー「私の文化では virginity は大切なの。だからもうしないで。」

その翌日か翌々日だったと思う。学校の帰りヴィッキーが俺の部屋にやってきた。
あんなことがあった直後だったが流れは「いい感じ」になりつつあった。

俺は椅子に、彼女は俺のベッドにお互い向き合って座った。

ドSのヴィッキーは俺に彼女の足の裏をくすぐるように命ずるW
どうやら触ってほしいみたいだ。

そして、尋問のような会話が始まるW。。。

ヴィッキー「Why did you kiss me?」
俺「好きだったから」
ヴィッキー「なんで私を好きなの」

みたいな会話が続く。。。

彼女が俺の手を握った。俺も握り返した。そのまま抱き寄せた。

今度は長いキスだった。

抱きしめながら髪と背中を撫でた、、ゆっくりと。
彼女は緊張していたのか目を少し開けていた。

そして、手はだんだん前のほうへ、、
そして、、

ヴィッキー「(俺の名)、do you know what you are doing?? 」
ヴィッキー「Even my boyfriend didn’t do like this for seven years…」
俺「Understand me」
ヴィッキー「(俺の名)~~~、(俺の名)~~~」

こんな感じだった。。。。あの時のことは今でも覚えてる。

俺自身この急展開は予想していなかった。。。また成り行きだった。

終わった後。。

ヴィッキー「私 virginity を失ったの?」

なんか嬉しそうに見えたのは気のせいだったのか。。

俺はその場の雰囲気に感動して涙を流していた(笑)。 
それを見た彼女は「もっと泣け」という。やっぱり超ドSだ。

彼女はNYの親戚の家に住んでた。俺との関係がバレることを極度に恐れていたようだ。
「私達の事誰かに言った?」とか何度も聞かれた。

「そこまでして秘密にしたいの?」って感じだった。
私の dignity がどうだとか言ってたな。。。

お嬢様の感覚は庶民の俺には理解できない。
なにしろ「私は特別な存在」だから。まあいいけどさ。。

俺とヴィッキーは結局最後まで「正式に付き合う」ことはなかった。

彼女は「Do you want me to be your girlfriend?」と聞いてきた。
最初は、はぐらかしていたが何度も聞いてきた。。

俺が「Yes」と答える。。。
そしてヴィッキーは「あなたの彼女にはなれない」と言う(笑)

なんだよ、だったら最初から聞くなよ。
俺に「Yes」って言わせたかっただけなんだろう。超ドSだ。

まあいいよ。お嬢様のプライドくらい満たしてあげよう。

もし「No」って言ったら「あれは遊びだったの!!?」って泣いて激怒しただろう。。
彼女はそういう人だった。

まあいいよ。それくらいは花を持たせてあげよう。

確かに超ドSのワガママだったが、情が厚くて根は悪くない子だった。
彼女はその後、希望通り中西部の大学院へ移っていった。

俺「NYで一番の思い出をありがとう」
それは本当だった。
ヴィッキー「私も同じ」

その後も1~2年に一度程度は連絡は取り合っていたと思う。

28: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:17:33.05 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 27: 留学生時代(3)ー 日本の元カノとの最後の会話】

ちなみに美咲と最後に会話したのはNYに来て半年ちょっとの頃だった。
美咲の日本の電話番号はまだ変わっていなかった。

美咲の留守電に俺のNYの番号を残したら電話してきてくれた。
うれしかったな。。。

美咲は新しい彼氏が出来たらしかった。年下のヤンキーだって言ってた。
彼氏と一緒に沖縄に引っ越すって言ってた。

美咲には俺みたいな「隠キャな哲学者」より、DQNのようなタイプが好きなんだろう。
いい意味で。

美咲「俺君は彼女できた?」
俺「うん。すごく頭のいい子」

「頭のいい子」っていうのは美咲にとっては「当てつけ」っぽかったかな。

もちろんヴィッキーのことだったんだけど、正確に言えば「彼女」という部分だけは盛りだった。

俺「これからも友達でいれる?」
美咲「あなたには出来ても。。。私にはそれは出来ない。」

まあそうだろうな。

最後はお互い「じゃあね」って電話を切った。それが最後の会話だった。

29: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:19:45.68 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 28: 留学生時代(4)ー 実家売却→人生最初で最後のチャンス】

俺は一応TOEFLを目標にしてた。

TOEFLの勉強は超つまらなかった。
英語力そのものよりもTOEFLの受験テクニックのほうが大事だったから。

長文ではどのようなトピックが出るか?
最初の3行以内に問題の答えが入っているパターンが多い、とかそんなのばっか。
ここだけは日本の受験と大差ないんだろうな。

その時大きなチャンスが来た。
両親がこちらの大学にいくなら学費を援助してやっても良いと。。

聞けば、母方の実家の不動産がバブルの絶頂期に売れたらしい。
一部を相続できたからそれを学費に当ててやっても良いと、、

人生最初で最大のチャンス。その時俺は20代半ば。
今から大学生になるにはもう若くなかった。

でも日本に戻れば俺の人生は底辺確定。年齢以外失うものはなかった。

俺はその年の秋に公立のコミュニティカレッジに入る。
そこから更にTOEFLの点を上げて、NYの某公立大学へ編入した。

大学に入試はなかったけど、リーディング、ライティング、数学の3つが一定の基準に達しないと単位のクラスを取れないので、それが最初の壁だった。

数学は俺ですらなんとかなった。一般的なアメリカ人の数学レベルは意外に低い。

アメリカの科学技術は世界トップレベルだけど、実はそれを担っているのはアメリカ人じゃない。
世界中から集まった外国人留学生だ。

かなり端折っているがその後数年間は必死だった。

日本に居た時好きだった事。車、バイク、カメラ、音楽、、全部忘れていた。

気がついたら「フィルムカメラ」から「デジカメ」の時代に変わってた。
気がついたら俺が知っていた芸能人は皆老けていた。時間があっという間に過ぎた。

人間って目の前の事に必死になる趣味や娯楽なんてどうでもよくなるんだな。そういう時、時間が経つのは本当に早い。

30: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:21:03.36 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 29: 留学生時代(5)ー 初めての親孝行?】

アメリカって基本的に人を褒める。長所を更に伸ばそうとする。

そこは日本とは大きく違うところ。

日本は基本的に人を褒めない。長所は放っておいもいいから短所を直させようとする。
受験が目標だからそうなるのかなって思う。

アメリカには日本のような受験はない。
だから入るのは優しい。でも入ってからが大変だ。怠けている余裕はなかった。
俺みたいに一発勝負の受験が苦手な奴にとってはその方がよかった。

月日は流れ、卒業後のことが次第に心配になる。
もちろん日本に帰らずアメリカに残りたかった。
でもそんなことほぼ無理なのは分かっていた。

ビザサポートを受けてアメリカで働くのは多くの留学生の夢だ。当然ハードルは高い。

卒業後にアメリカに残れる可能性を少しでも上げるなら会計かコンピューターだろうな。

コンピュータープログラムって意外と絵に共通するところがある。
想像力を働かせて描くところなんか。。
俺はコンピューターサイエンスを専攻した。
俺以外は中国系、インド系、東欧系、ユダヤ系ばかりだったな。

911のテロの朝はいい天気だった。
クイーンズから見えるワールドトレードセンターから煙が上がって地平線が茶色に染まっていた。
火事だと思った。

テロの翌日は静かだった。飛行機が全く飛ばなくなったからだった。
車のサイレンが遠くから聞こえてくるだけだった。

同じ頃ITバブルの崩壊があった。アメリカの景気は悪くなっていた。
その頃にはアメリカに残ることを諦めていた。

卒業式に両親が来た。
母は「もう涙は枯れたと思ってたけどこんなに出るんでびっくりした」そうだ。
もしかして俺にとって初めての親孝行だったのかもな。

Elgar の Pomp and Circumstanceを聴くと今でもあの瞬間を思い出して泣けてくる。

必死だったけどあっという間だったな。
これまでの人生で一番必死だったのは言うまでもない。

31: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:22:52.28 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 30: 帰国後の日本→地獄だった件】

帰国後、電車に乗ってたらなぜか何人かが俺を見ながらニヤニヤしている。
後で知ったけど「女性専用車両」っていうのだった。俺はその存在すら知らなかった。

日本もしばらく見ないうちに変わったんだな。社会全体の雰囲気が暗いと感じた。

帰国後はとりあえず地元の小さなIT企業の下請けにプログラマーとして入った。
アルバイト扱いだった。

もう俺は30過ぎていた。
日本では「年齢がいっている=扱いづらい人」となるらしい。

日本のIT技術者の現場で求められる人間は「経験がある、且つ若い」こと。
要するに「相反する」ものを求められるわけだ。

ちなみにアメリカでは履歴書に年齢は書かない。
雇用する側は応募者の年齢を選考の理由にしちゃいけないっていう法律まである。

一度アメリカを知ってしまうとどうしても日本と比べてしまう。
労働環境がこれだけ悪けりゃ日本がIT後進国なのは当然だわ。

アメリカでは大学時代の同僚は俺と同じような仕事して俺の3倍くらい稼いでいた。

大学時代の友人達のように俺もアメリカで働きたかった。
でもビザがない以上は無理だ。ビザのサポートを受けるのは容易なことではない。

東京の会社に転職した。地元よりはマシだと思ったからだ。

日本のシステム開発は、大手ITゼネコンの下請け、孫請け、曾孫請けとピラミッド状になっている。

俺は東京の会社の開発派遣先で嫌なことを言ってくる奴がいた。
「アメリカ帰りなんてヤバいと思ったけど、やっぱりな」って。
その会社今は潰れたらしい。ざまあって感じだ。

あと日本では「TOEICは受けた?」なんてよく聞かれた。もちろん受けなかったし一生受ける気はない。
ちなみにTOEICを受けるのは世界でも日本人と韓国人だけだそうだ。
一般のアメリカ人はTOEICの存在すら知らない。

そんなある日、奇跡が起こった。俺は技術者面談である人に偶然出会った。
詳しい経過は端折るが、その人の紹介でアメリカのある会社に紹介してもらうことになった。

俺がもし適任ならビザのサポートしてもいいという。
夢なら覚めないでくれと思った。

32: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:24:17.24 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 31: アメリカに戻る→またイジメにあう→紆余曲折+足かけ8年→永住権GET】

俺はそのアメリカの会社の社長と東京で面談した。結果採用!

仕事は同じIT関連。俺は研修者用のJビザを取得した。
俺はアメリカに戻った。嬉しかった。

しかし俺はその会社の先輩格の日本人からまたしてもイジメを受けることになる。
その日本人の口癖は「気合と根性」だった。

在米日本人の中にも嫌な奴はいる。
日本人は日本人しか虐めない。それ以外には態度を露骨に変える。

海外で働く以上ビザは命の次に大切なものだと言っても過言ではない。
ビザがなくなれば日本に帰るか、不法滞在者となるしかない。

結局、世の中うまい話には裏がある。「ビザ奴隷」というやつだ。
ビザという弱みを握られている以上、理不尽なパワハラにも耐えるしかない。

結局俺はその会社を逃げるようにして辞めた。アメリカ国内で他の会社に転職したんだ。
Jビザでの転職は不可能ではないが大変だった。

それから紆余曲折があり、当初の目標だったH1Bという特殊技能者向けビザをGET。

結婚したのはその頃だ。
妻との馴れ初めは特にドラマティックじゃないから書かない。

アメリカのH1Bビザというのはかつては就労ビザの定番だった。

H1Bビザは1年間に発給される数が決まっている。
毎年4月1日に受付開始して発給上限に達すると締切になる。

俺が取った年は4月1日に応募が殺到して発給上限に達するという前代未聞の自体となった。
結果、審査を受ける前にコンピューターによる無作為抽選となった。

俺は運良く抽選に通った。でも同僚は落ちて日本に帰った。
ほんとうに可哀想だった。

自分の運命が「くじ」で左右されるなんて今思い出しても恐ろしい。

アメリカでの一番の苦労はビザ関連のことだった。

数年の月日が流れる。その間に再度転職を経験。
H1Bを取ってから8年後、遂に米国永住権をGET。

長かった夢がようやく叶った。。。やっと自由の身になれた。

33: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:25:22.94 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 32: 超ドSなお嬢様→その後】

超ドSのお嬢様、ヴィッキーのその後について。

ヴィッキーに最後に会ったのは俺がNYの某公立大学を卒業して日本に帰る直前。
場所はシカゴだった。

シカゴに行ったことなかったんで観光も兼ねて行ってみた。

別れはサバサバした感じだった。「Bye、俺」って感じだった。

ちょっと前に知ったんだが、ヴィッキーはタイで大学教授になっている。
ということは無事、博士号を取ったんだな。

タイ人の名前って長いからみんなニックネームを持ってるんだよね。
そのニックネームでぐぐってみたら、出てきたんだ。。
その大学関連だと思うけど結構たくさん写真が画像が出てくる。

長かった黒髪は今は、スポーツ刈り(?)みたいに短くなってる。
ミニマムベリーショートっていうのかな?丸くて太い黒縁メガネをしている。

エキセントリックなファッションが好きだったからな。
ひょうきんな笑顔は昔のまんまだ。

ヴィッキーは俺が日本に帰ったと思っているだろう。
連絡を取ろうと思えば取れるかもしれないが、もちろんしない。

俺も今は愛する家族を持つ身だ。

彼女の夢が叶ったかどうわからないけど立派になったなと思う。

俺の職場にはタイ人の同僚がいる。
彼に「この大学どうよ」って聞いてたらいい大学なんだそうだ。

ちなみにタマサート大学じゃないよ。

ヴィッキーが今結婚してるかどうかは知らない。
昔話した時は結婚願望はないって言ってた。

「私(のワガママ、ドS)を許容できる男はいない」と自分をネタにしてた。

34: 1 ◆o9CDijBNYE 2021/12/31(金) 08:26:05.49 ID:V5tBjPv/0
【Chapter 33: やっと平凡な男になれた】

人生を「春夏秋冬」に例える俺の人生は「冬」から始まった。

そして高校卒業後に「春」がきた。
もう一度「冬」が来るかどうか、、分からない。来ないことを願ってる。

俺の半生の春夏秋冬を象徴するイベントを幾つか書いてみた。
不運もあったけど幸運もあった。

創作じゃないから繋がりもオチも何もない。
あくまで自分視点だし恥ずかしいことも書いた。
書けるしか書いてないから美化っぽくなってる部分はあると思う。
それでも身内や知人には見せられない(笑)

チャプターのタイトルは出来限り面白くしようと工夫した。

妻とのことは特に面白いストーリーはないので書かなかった。
燃えるような恋ではなかったがけっこう最初の頃から「もしかしたらこの人じゃないかな」っていうのはあった。

俺は重度の知的障害者の妹がいる。妻にも同じような知的障害者の甥っ子がいた。
お互い理解者という意味で大きかったと思う。

妻は「色恋の達人」でも「ドSのお嬢様キャラ」でもない。
普通の人だ。外見はちょっと永作博美(本人談)みたいな感じ。

それに結婚ってタイミングなんじゃないかな。結婚10数年になる。二人の子供がいる。

俺の職業は日本でいうところのSEだ。日本人と関係ない所で働いている。

今は幸せだと思う。目標は子供に幸せになってもらうこと。
たぶん死ぬまでアメリカに居ると思う。

日本を離れたおかげで知らなかったことも沢山体験できたと思う。

ちなみにアメリカに「ヤラハタ、ヤラミソ」「先輩後輩」「アフター5」なんて価値観はないよ。
「ヤラハタ、ヤラミソ」がないのは宗教上の理由だ。でもいい年して親と住んでるとバカにされる。
「先輩後輩」「アフター5」は儒教の国の特徴だろうな。日本と韓国がそうだ。

アメリカで一番嫌なのは病院だな。高いし保険が複雑で面倒だ。

これを読んでくれた人、もし将来海外に出るチャンスがあるなら出てみたほうがいい。

日本って受験エリート向けの国なんだ。
第二次大戦で指揮を取ったのも受験エリート。今もそれは変わってない。

もし日本で生きづらいと思ってたらとっと海外へ出てしまえって思う。
国に期待なんてするな。自分の人生だ。

何かを願い続けて行動し続ければ意外なことが起こるもんだ。
だから小さな事でもいいから「願い事」を見つけたらいいいと思う。

才能は欠点の裏返しだと思う。才能のある奴でも必ず弱点はある。
逆に一見取り柄のない奴でも何か一つは才能を持っている。
それを見つけられるか、活かせるか次第で人生は大きく変わると思う。

これで終わり。読んでくれてありがとう。

>>34
日本で生き辛いのは才能があり過ぎる奴。
才能が無いコミュ障陰キャが日本以上に生き易い国なんてねーよ、ど阿呆が。

35: 名も無き被検体774号+ 2021/12/31(金) 11:36:25.07 ID:8BdNrUB80
最初と最後だけ読んでとんでもなく無責任な事いってるから言うけど、海外と比較して外国語が話せなきゃ外国に行っても無能だからな

外国語話せて行くなら良いけど、外国語だけ話せるなら日本で外国語使って就職するほうが待遇良い

>>35
何が言いたいのか分からん

38: 名も無き被検体774号+ 2021/12/31(金) 17:51:30.10 ID:vaxZKx8xK
大晦日のくそ忙しいのに最後まで読んだ
面白かった
72年生まれ辺りですかね?

>>38
ありがとう。1968です。

2chは18年振りだ。
今は海外からだと、roninとかいうのを使わないと書き込めないらしいから一ヶ月分だけ買ってみた。
他にポスト出来るサイトとか調べたけど、目ぼしいのがなかったからここに書き込んだ。

自分目線だけど全て事実。どう取ってもらっても結構。

映画か?みたいな出来事だったのは、アメリカに戻れるきっかけになった Chapter 30 の最後の部分くらいかな。

これはChapter 20に書いた子です。
この手の写真は結婚を機に全部処分したけど、これはアルバムにひっついた糊が剥がせなかったので残ってた。
http://imepic.jp/20220101/060110

下の3つは大体 Chapter 25の頃です。

NYに来て間もない頃。
http://imepic.jp/20220101/058430

年末年始に日本から遊びに来た友達と。
http://imepic.jp/20211231/833280

NYのアパートの前で友達と
http://imepic.jp/20220101/065080

30日残るらしいけど様子をみて削除するかもしれない。

これは今朝撮った。家の前から眺めた風景。
http://imepic.jp/20211231/832500

仕事は3日まで休み。もし質問があれが答えられる範囲で答えます。

>>41
ありがとうございます

個人的には色恋の法則が目からウロコでしたね
なるほど!と思いました

>>42 
そうなんだW それは意外。
「色恋の法則」はお互いの気持ちが、「50:50」に近づけば近づくほど有効だと思う。

「100:50 」とか 「90:10」だったらもちろん無意味。

Chapter 20 の静香の場合、「俺10:静香90」位だったと思う。
だから俺は「別れてください」って言われても静香を追いたくならなかった。

Chapter 21 の温子の場合、「俺70:温子30」位だったのかな(願望W)

ストーリーの中には書かなかったけど、最後にスナックで会った後、温子から電話があった。

「俺さんって本当にいい人だね」みたいなしんみりした雰囲気だったW

ハッキリしない終わり方だったけど、わざわざ電話してくれたんだって思った。

それが本当の最後だったけど。

>>43
誤→「100:50 」とか 「90:10」だったらもちろん無意味。
正→「100:0 」とか 「90:10」だったらもちろん無意味。

40: 名も無き被検体774号+ 2021/12/31(金) 22:54:14.75 ID:i5hn6PmA0
テスす

45: 名も無き被検体774号+ 2022/01/02(日) 10:45:07.78 ID:BamXwfAi0
俺もほぼ同世代の在米民だけど、もっと単純な人生だったな
日本で大学院まで出てから来たから、感受性の高い若い頃の異文化体験無かったし
日本社会でなんか居づらさを感じたのは多分共通だけど

他の在米日本人見てもだいたいそうなんだけど、このくらいの年になるとそろそろ老後をどうするか考えんとな
相当アメリカになじんだ人でも老後は帰国を選ぶ人が結構多い

>>45
でも日本に帰っても年金もらえないんじゃないの?
その辺は大丈夫なの?

>>46
日本とアメリカの間なら日米社会保障協定っていうのがあって結構救済される
税金についても租税条約があって二重課税されにくいようにできてる
同盟国関係というのはありがたいね

>>45
老後に日本に帰国したがる人が意外に多いのは知ってますよ。
やっぱり日本の医療目当てなのかな?医療に限って言えば日本は楽だよね。
あと20年後はどうなるか分からないけど。

俺は今の所帰国願望なしです。
こちらに家もあるし、二人の子供は中身はもう完全にアメリカ人。
俺の日本の両親はまだ在命だけど、亡くなった後は実家も無くなる。
そうなると日本に戻る場所は無くなると思う。

日本で院まで行ってこっち来たなんて順風満帆じゃないですか。単純イコール平凡ということ。

Chapter 18で書いたひとみがこんなことを言っていた。「平凡なのが一番幸せだよ」と。

もっとも本人は自ら波乱万丈な道ばかり選んでたW

48: 名も無き被検体774号+ 2022/01/02(日) 12:47:08.99 ID:baCuy9fpa



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49: 名も無き被検体774号+ 2022/01/02(日) 12:48:14.09 ID:zumaXa5VH
へー
勉強になりました

50: 名も無き被検体774号+ 2022/01/02(日) 12:50:09.29 ID:zumaXa5VH
決して48が勉強になったわけじゃないぞ!

52: 名も無き被検体774号+ 2022/01/03(月) 22:28:30.03 ID:55ee81pm0
イケメンはいいな
クソがw

家族大切にしろよ!

>>52
両親には心から感謝してる。子供の頃は恨んだこともあったけどな。
子供時代=暗黒時代だった、と同時に両親を泣かせてた思う。

今は幸せだけど、、、心の闇って消えないんだよな。
自分の子供には「俺と同じ轍を踏まないように」って願ってる。

@brgsw719

作曲してみた❤ アルバムリリースしたから宣伝しないといけないよね‼️ 作詞作曲:葉月 heaven's door良かったら聴いて見てね❣️ 絶対に気に入ると思うので‼️ #eurobeat #chatgpt #アニメ好きと繋がりたい #アイドル好きと繋がりたい

♬ Heavens door - 原 葉月
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