梅雨のどんより感、そのまま音楽にしよう——
“曇り空エモ”を極めるダーク・レイニートラック作曲論

「空も心も重い…」
そろそろ梅雨。空が低くてジメジメしてると、自然と暗い曲が書きたくなる。
でも、“どんより”は決してネガティブだけじゃない。
曇りや雨の空気感を活かせば、誰もが心を預けたくなる「共感型バラード」や「ディープ系エモ曲」が生まれる!
ここでは、ダーク×しっとりな進行・メロ・サウンド作りを徹底的に分解しよう。


☔【01】梅雨曲=“ダーク&ウェット”の魅力とは?

梅雨どきの音楽は、“哀愁”や“陰鬱”だけじゃない。
静けさ、曇り、孤独、じっとりと心に染み込む温度…それらが合わさることで、
晴れの日には書けない独特のグルーヴが生まれる。

  • ◎ マイナー進行×ゆるいテンポで“滲む哀愁”
  • ◎ 分数コードやadd9で“水滴感”や“ぼんやりした浮遊”
  • ◎ リバーブやエコーを深めに、空間の広さを強調
  • ◎ ノイジーな環境音(雨・雷・街の雑踏)で“現実の外側”を演出

梅雨曲は「心の曇り」と「優しさ」が同居するから、他の季節には出せないエモさが生まれる。


🌧️【02】どんより梅雨進行サンプル集

  • ① i – bVII – bVI – V7(Am – G – F – E7)…しっとり系J-POPバラードに王道。
  • ② i – iv – v – bII(Em – Am – Bm – F)…ふんわり曇るコード感。ラストにbIIで余韻。
  • ③ i – iv – VII – III – VI – II – V – i(Em – Am – D – G – C – F# – B – Em)…複雑さが“気だるさ”を加速。
  • ④ i – bVI – III – bVII(Am – F – C – G)…雨の中の疾走感。
  • ⑤ i – bVII – i – iv(Am – G – Am – Dm)…静かに繰り返す“閉じた世界”。
  • ⑥ i – v – i – iv – i(Em – Bm – Em – Am – Em)…陰鬱ループ、出口のなさを強調。

これらの進行を使えば、空気の重さや内省的な“自分語り”まで、メロディの中に閉じ込められる。


💧【03】メロディ&リズム—滲む、曇る、浮遊する

  • 旋律は小さな音程差で“つぶやく”ように始める
  • ◎ サビでも大ジャンプは避けて、半音進行やスラーで“滲ませる”
  • ◎ リズムは「重め・ゆるめ・後ノリ」に
  • ◎ 16分裏拍やスウィングで“水が流れる”印象を
  • ◎ ドラムレス~ミニマルで“息が詰まる”空気感も効果的

曇りや湿気のグルーヴは、リズムや旋律の「曖昧さ」「揺らぎ」で表現する。


🌫️【04】サウンド設計—空間・環境音・雨の質感

  • ◎ ピアノ・パッド・ストリングスで「曇天」「水滴」「霧」のイメージを重ねる
  • ◎ リバーブは長め・ディレイは軽めに、余韻を残す
  • ◎ 雨音・遠雷・傘の音など環境SEを奥で鳴らすと一気に梅雨感UP
  • ◎ ノイズやローパスで“曇りガラス越し”の音質に

「湿気」を音色で表現することで、季節感も一気に増す。梅雨曲は音響が命!


🪟【05】歌詞・物語—「閉じ込められた感情」をどう描くか

  • ◎ 直接「雨」「曇り」を使わなくてもOK。「滲む」「重い」「流れる」「満たされない」など抽象語で表現
  • ◎ 言葉選びはシンプルに。「…」や余白で“間”を強調
  • ◎ 「待つ」「あきらめ」「願い」「眠れない」など“動けない”心を反映
  • ◎ 梅雨が明ける希望より、“ずっと続く”閉塞感を描くと深みUP

心情の“閉じ込め”と“にじみ出るエモ”が、どんより梅雨バラードの核心。


☁️【06】構成・テンプレート例—「曇り空エモ」曲の作り方

  • Intro:雨音SE+Am | G | F | E7
  • Verse:Am | F | G | Em
  • Pre-Chorus:F | G | Em | Am
  • Chorus:Am | G | F | E7(静かな爆発感)
  • Bridge(環境音と無音が交互に)
  • Chorus:Am | G | F | E7(+降りしきる雨音)
  • Outro:ピアノ単音+雨SEでフェードアウト

サウンドと物語が一体化したとき、どんよりエモは「誰もが共感できる名曲」になる。


💦【07】現場Tips&リスナー心理—「梅雨曲」はなぜ刺さる?

  • ◎ 「自分だけじゃない」と思わせる孤独感の共有
  • ◎ 晴れソングよりも“寄り添い力”が強い
  • ◎ TikTokやSNSで「#梅雨うた」「#どんよりソング」など季節限定の共感がバズる
  • ◎ 曇りや雨の情景は、記憶や恋、夢とリンクしやすい

「季節」と「心」が重なる瞬間——それが梅雨曲最大の魅力。


まとめ:梅雨のどんより感も音楽なら“美しさ”に変わる

梅雨の憂鬱も、どんより感も、ぜんぶ音楽に閉じ込めて。
陰りの向こうにある優しさや、止まない雨の中の“自分だけのドラマ”を曲にしてみてほしい。
曇り空エモが聴く人に寄り添い、癒しにもバズにもつながる——今だけのダーク&ウェットな1曲を生み出そう。

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